ラノベ人気投票『好きラノ』投票します
いちせさんのところで今年もライトノベルの人気投票をやってると聞いて……。
こういうのに参加するのはラノサイ杯以来なのでもう十数年ぶりなんですが、今年は絶対に推したい作品があるので一念発起して投票します。対象期間内の作品を他に読めてなくて、また例によって1冊だけの投票なので気後れしますが……。(ラノサイ杯の頃もそんなこと言ってた)
『祈る神の名を知らず、願う心の形も見えず、それでも月は夜空に昇る。』
【21上ラノベ投票/9784046805133】
品森晶/MF文庫J
『幻想再帰のアリュージョニスト』作者、念願の商業出版ライトノベルです! アリュージョニスト自体もライトノベルとして書かれたWeb小説ですし、星海社FICTIONSから出版された『アリス・イン・カレイドスピア』も存在しますが、レーベル的にはややボーダー感がありました。その点、今回のレーベルはMF文庫J。誰がどう見ても文句のないライトノベルです! 何年間もずっと読みたかったものがついに本屋さんに並んで、手に取って重さを確かめることができて、しかも天下のMF文庫J! この手に馴染んだサイズ感、イラストレターさんのエモい表紙! 本当に夢みたいで、今も半分夢うつつなんですが、夢じゃない……触れるし持てる……ページもめくれるし……。
内容もめっちゃよくて、文庫本1冊の制限がある中でのテンポ感や切れ味が品森先生*1の新境地という感じでした。とにかく展開が早くて、こちらの想像したストーリーラインをどんどん追い越しながら話が進んでいくのが気持ちいい。ものすごい勢いで展開された大風呂敷と積み重ねられた意味と文脈が、それでもやっぱりクライマックスのテーマ的解決に向かってびっくりするくらい綺麗に収束する。ボリューム無制限のアリュージョニストとは描き方が根本的に違うところが新鮮で、でも間違いなく通底する作家性もあって……品森先生にはこれからも色んな小説を書いて欲しいと心底思いました……。なお内容については既に感想記事を1本書いています(紹介感想の体なので、けっこう抑えめですが)。
アリュージョニストは連載7年、370万字を超す大作ですが、ライトノベルレーベルの商業作家としての品森先生はまだ本当に始まったばかりで、どうか大成して欲しい~~……! という気持ちです。この流れが次に繋がっていって欲しいという気持ちを込めての1票、よろしくお願いします。
*1:ずっと最近先生って呼んでいたので、この呼び方まだ慣れない