『歪者行進曲』 - 故郷の村を焼いた憎獄人形0118への復讐のため憎念渦巻く古代遺跡へ挑め

 死に戻り前提の高難易度ボス戦と戦闘前の戦略カスタマイズに特化し、灼けつくような圧倒的中二病的フレーバーでフリーゲームプレイヤーの度肝を抜いたRPG『歪者行進曲』をキメてきました。ver223。


世界最終憎怨記録の上位命令によって目覚めた憎獄人形0118を倒す事が目的。

 最高の文字列では?

 とりあえずもぐらゲームスさんとこの紹介をどぞ。

 大雑把に言うと「良い雰囲気のマップを歩き回りつつ要所のボスを倒してアイテムとスキルを回収してね。レベルアップはなくてステータス増減は装備依存だよ。戦闘はボス戦しかないし、装備・スキルは戦闘前に完全リセットできるから一戦毎に好きなだけ試行錯誤できるよ。セーブポイントはボスの目の前にあるから安心していっぱい死んでね」という感じの、超親切・高難易度のRPGです。

 初プレイ時の体感では「スキルと装備をしっかり整えれば半々以上の確率で勝てる(準備万端のつもりでもそれなりに死ぬ)」くらいの難易度でしたが、一部の敵を除くとゲームオーバーによるリロードすら挟まず再戦が可能なので、ストレスはほとんど感じず。敵味方ともに短期決戦仕様なので、試行と改善のサイクルが速いのもよかったです。戦術が決まればスパッと勝てるというバランスでもないので、パズルピースがピタッとハマるような爽快感は控えめですが、針の穴を通すようにピーキーに切り詰めた泥沼の戦いの果てに「詰め」の状態に持ち込み、「ヒャッハー」と叫びながらトドメの一撃を入れる快感は格別。ほんの4時間ほどのプレイでしたが、なかなかのやり遂げた感でした。

 グラフィックや音楽などは基本的に素材利用ですが、雰囲気に合ったチョイスで統一感があるし、何よりテキストが強烈過ぎて完全に独自の世界観が築かれています。特に敵グラフィックにはマゼランさんのとこのかなりアクの強いイラストが使われているのですが、このヤクい感じがテキストの過剰なまでに毒々しくグロテスクなフレーバーが非常にマッチしていて、世界最終憎怨記録や憎獄人形に纏わる忌まわしくおぞましいイメージの奔流を見事に描き出しています。

 うーん文字列、良い……。私の好きな文字列は「邪獄王禁書」「破滅勇士エーデルニカの鎧」「精神崩壊したガラツィナム幼虫」「鉛と逆行王国分離器」あたりです。作者さんによれば本作は「歪者行進曲」シリーズの第一楽章にあたる作品らしく、続編も鋭意制作中とのことなので、今後の展開を楽しみにしています。