『QED 百人一首の呪』高田崇史

QED 百人一首の呪 (講談社文庫)
これも一種のネタではありますね。いわゆる"バカミス"とはまた別の方向性を持ったネタ。"変態的"という形容が、意外と合っているんじゃないかと思います。
中盤あたりから殺人事件そっちのけで語られる百人一首の謎解きに、とにかく引き込まれます。提示される歌にひとつひとつ目を通すほどの根気はありませんでしたけれど、その秘密に迫る探偵役の言葉を追っているだけでも十分に楽しめました。百人一首を暗記しているかどうかというよりも、歴史の裏や逸話を眺めてにやにや出来る人向けのテーマだと思います。井沢元彦さんや高橋克彦さんが好きな方になら、あるいは薦められるかもしれません。
ミステリー部分、というか殺人事件の顛末は、まるっきり九時から放送される二時間ドラマでした。解決編での犯人の言動なんかは冗談のようにお約束な展開だったので、もしかしてネタのつもりでわざとやってるのかな、とちょっと疑ってしまったり。あと探偵役が何か言うたびに助手役の女性が「すごい!」とか「本当だわ!」とか叫ぶ光景は、どこか通信学習のチラシに載っている宣伝漫画を連想させるものでした。まあこれはこれで……よくありませんね、はい。