『アラビアの夜の種族』読中

「1℃」まで読了。


な、何ですかこれは。なるほど幻想小説、三分の一ほどまで読んでみてもストーリーラインが見えてきません。いえ、この調子でアラビアンナイトのように口物語をひと晩ひと晩聞いていく構成になっていそうなのは予想できるんですけど、それが一体どのような意味を持つのか、『アラビアの夜の種族』という作品に対してどのように貢献するのかが掴めません。単に女性の口から語られるお話を聞くためだけの一冊なのかもしれませんけど、ならば四十ページにも及ぶ序章の壮大な前フリは一体何だったのか、とか。
読みにくいことは全然ないですけれど、なかなかページが先に進まなく*1 はあります。一頁読むのに一分以上かかっていて、それが六百ページ以上。先のことを考えるとなかなか大変です。自分自身が激しい興奮を感じるような種の面白さではないんですけど、不思議と続きが気になってなかなか読むのを中断できません。先の展開がすごく気になって、でもページはなかなか先に進まず。それが凄くもどかしくて、書物の持つ魔力のようなものを感じています。

*1:私が二段組みハードカバーを読みなれていないということで、余計に大変に感じてしまうのかもしれませんけど。