『ダブ(エ)ストン街道』

ダブ(エ)ストン街道 (講談社文庫)
ちょ。なにこれ。慌ててメフィスト賞の募集要項を確認し直しました。あーあ、こういうのもありなわけですね。『実験小説 ぬ』を書いた人というくらいしか前知識がなかったので、すごくびっくりカルチャーショック。よい感じに不意打ちでした。一歩間違えるとギャグにすらなってしまう内容なのに、落ち着いた筆致が不思議な雰囲気にうまく利いています。石田衣良さんの解説にあるとおり、類似した作品はちょっと思い浮かびません。寓話というか『不思議の国のアリス』とかに近い気もしますけど、読んだことないので分りません。ていうか絵本? 『なまえのないかいぶつ』みたいな。
ときどき挿入される「創世記の前ページの玉の字」が少しずつ増えていくのとかが地味に好きです。あと赤い影の正体に全米泣き。