『ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編(2)』

ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編 2 (ガンガンコミックス)

何が罪かわかりますか。
知恵の実を口にしたからではありません。
何が罪かわかりますか。
蛇の甘言に耳を貸したからではありません。
まだ罪がわかりませんか。
それこそがあなたの罪なのです。

――Frederica Bernkatel

Kのアホー。(恒例)

他の二編と比べて、絵の崩れが目立ってしまっているのは残念でした。描写にしても、事件の真相を知っている身からすると「ちょっとその絵はまずくない?」と思えるような部分も多々。原作ではボカして曖昧に表現されていた部分を直接絵で描いてしまったりとか、いわゆるアンフェア度の高い描写が目立ちました。まあアンフェア云々という文脈で描かれたお話でもありませんけど、わざわざ風当たりを強くする必要もないわけですし。

と、表現の面で難があるとはいえ、構成としては押さえるべきところがちゃんと押さえられていたと思います。原作ゲームのシナリオは決して区切りのいいものではありませんでしたけど、それを季刊連載の尺に置き換えることに成功しています。原作そのままのシナリオ運びだと最終話に大量の情報を詰め込む羽目になるので、それを回避するため一部の回想シーンを前話に前倒しして配置するなどの変更がみられました。これはなかなか見事な配慮。

漫画版オリジナルの要素としては、ラストのモノローグに合わせて描かれる事件後の村の様子が良かったです。初プレイのときはそこまで考える余裕がありませんでしたけど、涙を流していたのは当事者だけではなかったのですね。うぇっうぇっうぇっ。Kのアホー。