『ROOM NO.1301 #3 同居人はロマンティック?』

ROOM NO.1301〈3〉同居人はロマンティック? (富士見ミステリー文庫)

相変わらずいちゃいちゃ。後ろ向きにいちゃいちゃ。いちゃいちゃしまくってるのに全然楽しそうに見えないのはこれいかに。

皆で海に遊びにいったりもしますが、そういう意味でえろーいなシーンはないです。せっかくの海なのにそういった"海っぽい"シーンをバッサリ切ってくれる手際には意味もなく感服してしまいます。状況自体は、前に進むというよりもどんどん新要素が増えてぐちゃぐちゃかき混ぜられてる印象です。

シミュレーターだなあと思います。とことん物語がなくて、「作者の手を離れてキャラクターが勝手に動き出す」という状態をひたすら描写している感じ。少なくとも一冊一冊では起承転結の体をなしていなくて、シリーズ全体を通しての俯瞰的な視点を持たないと作者の制御は見えてきません。

これも小説作品のひとつのありかただと思いますけど、物語とかテーマとかを重視する人にとっては耐え難い作品なのかもしれません。hajicさんとか……ってあれ。褒めてるし。(←偏見)

ところで今までと比べて急に健一さんのイラストが男前になったような。もっと童顔だったように記憶してるんですけれど、これって私の気のせいですか。気のせいですかと言いつつ自分で確認しない怠慢。本の山に埋もれて前作がどこにあるのか分かったもんじゃありません。