「厄醒し編」其の弐「無力」

 今回は沙都子ちゃんがトラップ使いであること、圭一さんが口先の魔術師であることが強調されていました。これらはアニメ無印版の時点ではあまり描かれていなかった要素。今後の展開で重要になってくることなので、ここで今一度印象付けておいたということでしょう。沙都子ちゃんのトラップを強調するなら野球対決は是非最後まで描いて欲しかったところですけど、これはもう尺の都合でしょうがない感じです。 

 それにしても、Kの口上は突き落としてから手を差し伸べる啓発セミナーの手口そのものですね。こういうシーンは、声優の演技が入ることで表現が強化される一例だと思います。Kの固有結界と併せて見るとよいです。

 後半は、村民の北条家への差別的態度が描かれています。梨花ちゃんが明らかな怒りを示しているのに、あそこまで露骨な嫌がらせを続けるものかなーとは思いましたけど、「雛見沢という村の問題」この演出ひとつで十分に印象付けられたとは思います。

 北条夫妻の外見は今回が(おそらく他のメディア含めて)初登場でしたけど、意外と淡白な感じでしたね。沙都子ちゃんのお父さんは、あのお魎さんとすら正面切ってやりあった、鉄平を更に強くしたような人*1ということになっています。そのイメージと比べると、どうしても齟齬は感じました。

 沙都子ちゃんの相談に対する部活メンバーの反応にも、かなり違和感を覚えました。真剣に話をしている沙都子ちゃんを揶揄するかのように笑い飛ばす圭一さんは、ちょっとルールXを越えているようには思えません。今後「あのときは梨花ちゃんの手前知らん振りしたけど……」的なフォローがあればいいんですけれど。

 前回と比べると、流石に密度は薄まってしまっていたと思います。まああんなのが毎回続くとどこの京アニってなりますし、今回だって無印版のどの回よりも質は上だったと思います。このくらいの質が安定して続いてくれさえすれば十分に満足なんですけれど、はたして一体どうなることやら……。ど、どうせ(ry

*1:通称金平。