こうの史代

偏在する"私"の視点 - 『この世界の片隅に(下)』

非常に長い長い作品を読んだという印象があったので、一冊あたりがほんの150ページ程度で構成されていることに後から気づいて凄く驚きました。読んでる間の没入感が本当に凄くて、読み始める前と読み終わった後の自分の時間が不連続に感じられたほど。"漫画…

『この世界の片隅に(中)』

かぎりなく尊い日々を描いているというただその一点だけにおいても、本作にはひとつの作品としての価値があるのだと思います。けれどその日々には、もうひとつの不可分な要素が常に影を潜めています。それをどう受けとめればいいのか、中巻を読み終えた今で…

『この世界の片隅に(上)』

なんとのんびりした日常。特に意識したわけでもないのですが、気がついたら一冊で一時間というとてもゆっくりしたペースで読んでいました。 一冊の漫画をこんなに時間をかけて読むのは『DEATH NOTE』以来。なのですが、情報過多で内容を理解するために時間を…