『蟲と眼球と殺菌消毒』

蟲と眼球と殺菌消毒 (MF文庫J)
眼球! 眼球!
眼球えぐっちゃうぞ第二巻。前回の八百比丘尼伝説に続いて今回は手長鬼と来たので、このシリーズは日本の民話と旧約聖書で攻めるつもりみたいですね。女の子が酷い目に遭うシーンもたくさんあっておなかいっぱい。
えっと、ちょう面白かったですよ。グリコちゃんが本当にいい子でいい子で。ぐりゅーの人もへたれなりに格好いいですし、うさりん閣下や偽原夫妻もよい感じ。拗ねた子が一瞬素直になったときの様子がやたらとかわいらしいように、ひねくれ者で根性腐り気味の日日日さんがこういうお話を書くというのはとても素晴らしいことだと思います。きっと、今の日日日さんの仕事の中でいちばん優しいシリーズなのではないでしょうか。いえ、死人の数(特に女の子)も他のシリーズの比になりませんけどねっ!
キャラクターが多すぎて話が飛び飛びになり、前半と後半の繋がりもちょっと希薄ではありましたけど、前巻に比べれば構成はよくなったと思います。手長鬼のエピソードは、続編へ持ち越すにしてももう少し書いておいた方がよさげでしたけど。ていうかこの子の技って、どう見てもエルフェンリートベクターです。あと殺菌消毒の人はいろんな意味で鷹野三四さんとかぶってると思いました。
挿絵の三月まうすさんも、とってもいい仕事してますね。こんなに淡白でいたいけな女の子たちが揃いもそろって肉片になったり脳漿ぶちまけたりしながら虐殺されたのかと思うと、いろいろ感慨深いものがありますよね。もえ!