目明し編 其ノ五「冷たい手」 其ノ六「断罪」罪滅し編 其ノ壱「幸せ」

「冷たい手」は久しぶりにクオリティが回復し、懐中電灯の明かりに悟史くんの顔が映りこむなど凝った演出もありました。原作にはない、アニメでしか出来ない表現。毎回このレベルが貫かれていればと残念でなりませんけど、やっぱり現場はそうはいかないのでしょうか。

「断罪」ではまた下降。出来のいい回を各編の最終話に持ってくることすら難しいんでしょうか。まあ例によってダイジェストなわけですけれど、目明し編の謎の最大の核心であるアレがあっさりスルーされていたのはいくらなんでもと思います。最終章のカットされた『翼ある闇』みたいなもので、どうしようもありません。「目明し編」の原作のコンセプトは一種の「泣きゲー」だったわけですけれど、このアニメ版でそれを感じることは出来ないでしょう。別に換骨奪胎して別のものを表現してるわけでもないですし。

そして「罪滅し編」の一話目「幸せ」。またまたクオリティが上がってホクホクなんですけれど、最終章に入ってスタッフが本気を出したのかたまたまアタリの回だっただけなのか判断つかないのが悲しいです。どの編にしても「一話目はまとも」という経験則があるので、まだ安心できません。このお話自体の出来はわりと良くって、上手い具合にさくさく進んだと思います。(レナさんの隠れ家に星図が貼ってあったりとか) ただこれまで部活メンバーの部活方面での描写をほとんどスルーしてきたせいで、原作なら毎度のことであるはずの部活の大騒ぎが原作未読者からは奇異に感じられてしまったようです。「『ひぐらしデイブレイク』で沙都子がトラップ使いなのはこのシーンからの連想なのか?」という感想すらありました。そういえば、入江先生がメイド狂という話も「祟殺し編」で出てなかったような……。(まあ一応、公式サイトには書いてありますけど) この回だけの出来を見ると悪くはないけれど、今まで酷かった皺寄せがじわじわ来ている感じです。お願いだからこのクオリティを最後まで保ってください。