『ナイン・ストーリーズ』
初サリンジャーさん。私が普段読んでいるような小説とは全く異なる文法で書かれた小説。興味深いな、とは感じつつも、万全の読み方ができたとは思いません。非凡な何かを読み取りつつも、「面白かった」と断言するだけのものを感じ取ることはできませんでした。私が今まで読んだ小説は数百冊ですけれど、その経験の中で自分の読み方が固まってしまって、異なる読み方を要する作品に対応できなくなったというところがあるのかも。初めて手に取った小説がこの作品だった、という人の方が、むしろ簡単に適応できちゃうのかもしれません。「自分の読めない面白い作品がある」という事実を突きつけられるのはなかなかに悔しいもので、修行を積んでの再読が要されます。ていうかライ麦畑の文庫版は出る予定ないんでしょうか!