『Doubt(1)』

　『ひぐらしのなく頃に 暇潰し編』をコミカライズした外海さんのオリジナル作品。暇潰し編を書き始めた頃と比べると、絵はかなり上手くなっているように思います。なにより表紙のインパクトは絶大。こういうのを、ジャケ買いしたくなる本というのでしょう。

　人狼ゲームをモチーフとした閉鎖空間サスペンスということになるのでしょうか。和気藹々とした雰囲気から始まりますけど、かなり容赦なく殺しにかかってくる作品でもあるようです。安全圏と思っていたところにいきなり斬り込んでこられて、思わず身構えてしまいました。

　人狼ゲームと言っても、作中では別名のゲームとしてアレンジされています。よって占い師や狩人、霊能力者といった概念は(今のところ)登場してはいません。その代わり、閉空間の中で一人が一度だけ扉を開けることができるという特別なルールが採用され、お話を一筋縄でいかないものにしています。

　この巻の時点では伏線は増えるのみで、謎の解決はほとんど行われていません。だから最終的にお話がどう纏まっていくのかは予想がつきませんけど、少なくとも次の展開への読者の興味を引くことには成功していると思います。そこから先は、二巻以降に期待しておきたいです。