『少女には向かない職業』桜庭一樹
バトルアックス! バトルアックス!
女の子が殺されるお話と女の子が殺すお話なら、ダメージ自体は前者の方が大きいだろうと思っていましたけど……うう。やっぱりそういう生易しいレベルで語れるお話ではありませんでした。この着地点、選択*1としては無難なのかもしれませんけれど、そこに至るまでを描いた数ページの流れが本当に痛切。実弾だと信じて必死に撃ち続けていたものが、結局ただのロリポップでしかなかったと露呈される瞬間です。
終盤で明かされる宮乃下静香さんのバックグラウンドに、物凄く深い意味で納得。笑ってしまった人も中にはいるようですけれど、私にはぜんぜん冗談には見えませんでした。そうです、実弾を持たないこの年頃の女の子で、もしも彼女のようにエキセントリックな言動をとり、ミステリアスで非日常的な雰囲気を纏える者がいたとするならば……そのバックグラウンドはきっと"こう"であるはずなのです。
*1:選択という言い方は私達が読者だから使える言葉で、桜庭さん自身は初めからここを目指していたのだと思います。見る順番が逆ー、と言うか。