『六枚のとんかつ』
えーと、「前評判を一切知らずに読んだ方が幸せになれるミステリー」はよくありますけど、この作品は数少ない「前評判を知らないと不幸になるミステリー」だと思いました。まあ受賞から八年も経って既に前評判も嫌というほど流れているので、私は無事幸せな読者になれたわけですけど。
『音の気がかり』
笑いました。「負けました」と同義。
『桂男爵の舞踏会』
トリックが見抜けなくて普通に悔しかったです。あんなに堂々とヒントが出ていたのに!
『黄金』
裏の裏まで読みすぎました。もうひと捻りしたオチを予想してたので残念。
『エースの誇り』
トリックが分からなかったけど悔しくはありませんでした。オチで負けたと思いました。
『見えない証拠』
分からなかったけど悔しくありませんでした。
『しおかぜ⑰号四十九分の壁』
トリックを見抜けませんでした。めちゃくちゃ悔しかったです。二話目の『桂男爵の舞踏会』の時点でこの人の傾向は見抜けていておかしくないはずだったのに、まさに二の轍。きいいっ!
『オナニー連盟』
トリビアネタが見抜けなかったのはちょっと悔しかったかもです。知識としては知っていたので。
『丸ノ内線七十秒の壁』
地方民置いてけぼりですかよ。ちぇーなのですよ。
『欠けているもの』
タイトルと最初の一行でトリックの方向性は予想がつきました。中学生の教科書にも載っているとある評論を読んだことのある人なら、正解率は飛躍的に高まるでしょう。
『鏡の向こう側』
最後のオチが何の絵なのかしばらく分かりませんでした。あとコアラの絵を見た時点でもっと低俗なオチを予想してしまった自分は死ねばいいと思います。
『消えた黒いドレスの女』
この真相は、悔しくはないけどびっくりしました。あと古藤さんの思いやりにちょっとホロリと……ごめんなさい無理でした。
『五枚のとんかつ』
最初に某作品のネタばれがあると宣言されたので読むのを諦めようとしたんですけど、よく考えたら多分自分も知ってるトリックだなと思い直したので構わず読んじゃいました。下敷きとなった作品のトリックを知っていてなおかつとんかつのヒントを出されてもトリックを見抜けなかった私の頭はザルだと思います。普通に良質な謎掛けだったと思うので悔しいです。
『六枚のとんかつ』
『五枚のとんかつ』を読んだ後でもトリックを見破れなかった私の頭は一体どうなってるんですか!? きいいいいっ!
『「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を読んだ男』
とんかつ二連発でちょっと見直した直後にこれですか。
『最後のエピローグ』
あははははははははははは。
完敗。
『保険調査員の長い一日』
最後のシメに相応しい仕掛けだったと思います。自分の思考停止っぷりが悔しいったらありません。
「どうせくだらないオチだろう」と思って考えるのを放棄したら意外と歯ごたえのあるトリックが出てきたりして、何度も悔しい思いをしました。言われもしない境界条件を無意識に自分で勝手に設定しがちで、そこを上手く突いた仕掛けが多かったと思います。