『ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編』まとめ(再プレイ3)

Kのアホー。
既に舞台の裏側がどうなっているのかを知ってしまっているため、一年半前の初プレイ時とは印象が大きく異なりました。当時の感想はとにかく恐怖一辺倒で、それ以外のことは何も考えられなかったように記憶してるんですけれど、再プレイの今回感じたのは何よりも悲しみでした。主人公の圭一さんは作中で何度も「どうしてこんなことになったんだろう」と自問自答するんですけれど、答を知っていると本当にやり切れない気持ちになります。そのあまりの泥沼っぷりに別の意味で泣けてきました。

クリア後に次編との幕間として「お疲れ様会」があるんですけど、ここで「真相は祟りか人為か」というテーマが繰り返し述べられていて、方針としてはこの頃がいちばん迷走してたんだなあと思いました。超常現象の存在を匂わせる幾つかのシーンは祟り説の信憑性を読者に印象付けるために描かれたんでしょうけど、そういう手回しが結果としてはすべて裏目に出ちゃったんだなあと。作品が進むにつれてアラはどんどん減っているので、書いている竜騎士07さん自身も『鬼隠し編』のまずい部分にはだんだん気付いていっただろうと思いますけど、何せこういう連作の形を取っている以上フォロのーしようがないですものね。この辺の経験が次回作で活かせれば、今度はもっと完成度の高い作品が出来あがると思います。ひぐらしという作品にいちばん欠けていたのは経験や洗練の類のものだったと思うので、竜騎士07さんがそういう点を克服したとき一体どんな作品を作ってくれるのか、これは今からでも本当に楽しみです。