「ゆらぎの神話」入門(2) もうちょっと具体的な世界の概要と【槍】について

さて、いくら何でもアリとはいえ前回みたいな説明ではあまりに捉えどころがないので、今回はもう少し具体的に「ゆらぎの神話」の世界について説明してみます。

とりあえずよくあるファンタジー風の世界をイメージしてください。指輪物語とかタクティクスオウガとか。*1 で、そういう世界に神様とか悪魔とか精霊とか竜とか猫*2がたくさんいて、みんな好き勝手に寝たり食ったり踊ったり争ったりしてるようなイメージです。

思いっきり多神教*3的な世界観ですね。もちろん人間もいます。人間たちは愉快で凶悪な上位存在に負けることなく、教祖になったり詩人になったり納豆売って億万長者になったりしてしたたかに生きています。

まあ漠然としたことばかり言ってもアレなので、ひとつ象徴的なキーワードを紹介しましょう。それは【槍】です。この世界はなぜか【槍】という概念の影響が異常に強くて、至るところに【槍】のモチーフが出現します。

武器の象徴は槍、竜の象徴は槍、世界の象徴も槍。この世界の槍は神の単位と同様「一柱、二柱、」と数えられています。「剣」と言えば槍のことですし、ということは「聖剣」という言葉も「聖なる槍」を意味します。男根を比喩する俗語も決まって槍です。去年の裏流行語大賞は「俺の槍がオーバードライブ」でした。

そしての強烈なイメージをを具現化するように、この世界の中心では【紀元槍】という超巨大な槍が天に向かって聳えています。その姿はほとんど塔と言ってもいいというかむしろ明らかに人工のあらゆる建造物を凌駕する大きさで、あまりにも高すぎるため穂先の部分は地上からは見えませし、そもそも先端の存在を確認した者もいません。*4 この槍は世界中のどこからでも見えます。毎日こんな巨大なものを見続けてれば、そりゃ深層心理にも植えつけられようというものです。

というわけで、ともすればどこまでも拡散しがちな神話世界を収束に導く要素のひとつとして【槍】があると言うわけです。この神話のことがよく分かんなくなったら、とりあえず槍について適当に何か書いとけばいいと思います。

*1:あるいはギリシア神話風とかウィザードリィ風とか、なんならスターウォーズ風でも東方ファンタジー風でも超兄貴風でも構いません。どんなのを思い浮かべても、まあ大筋間違いじゃないと思うので。いいんですって。納豆の神様が崇め奉られながら美味しく食されているような世界に今さら合うも合わないもありません。

*2:ちなみに【猫】は伝説上の神話的生物ということになっていて、【竜】に並ぶ最強モンスターというイメージが定着しています。

*3:まあ、中には一神教的な教義によって他の神々は全部悪魔だ、とか言ってしまう宗派もありますから、そういう部分を突き詰めていくのも面白そうです。

*4:ちなみにこの紀元槍の内部は超絶無比の究極ダンジョンになっています。