『ポーの一族(1)』

ポーの一族 (1) (小学館文庫)

各所で絶賛されている萩尾望都さんの代表作。面白いです。数百年を生きる不老者たちの一大サーガ。切り取ったようなごく短いワンシーンから、長大な世界全体のイメージを読者に想起させる手腕は見事。ストーリーテリングは時代を感じさせず、今の視点から見ても新鮮に思える部分が沢山あります。

とはいえ、周囲の大絶賛っぷりを見ていると、まだ私の汲み取れていない何かがあるような気もします。たとえば森博嗣さんが常々誉めまくっているような詩のセンスとか、この年代の少女漫画の雰囲気そのものとか。この辺、似たような文脈の作品をもっと読み込んで、こういった世界をちゃんと掴めるようになる必要がありそうです。精進精進。とっとと続き読んできます。