同人商品とフリーゲームの間に横たわる「商品っぽさ」の壁

 でも、エロゲなら。エロゲなら個人の天才でどうにかできる可能性がある。じっさいに『月姫』はその可能性を証明してみせた。

 未完成でもいい。欠点だらけでもいい。でも、ゲームというメディアの可能性を見せてほしい。心からそう思う。

という記事を見てて、あんまり関係ないけど何となく。

粗はあれども一点突破な作品を求めるなら、商業以外の方向に目を向ければいろいろ見つかるかと思います。(まあ同人畑なんかは市場のシェア自体の「エロゲ」率が高いみたいですけど) 純粋に個性を求めるなら利益を全く考えなくていいフリーゲームに凄いのが色々あるんですけれど、ただここまで来ると商品作品とのあまりの価値観の違いが高い壁になっているようです。

商品作品には絵の上手さとかユーザビリティとかとはまた別の「商品っぽい雰囲気」というのが多分あって、ほとんどの同人ゲームすらその方向性を帯びているんですけれど、それに無頓着なフリーゲームは生理的に敬遠されてしまってるような印象。

「ムービーが美麗でもしょうがない」「凝った演出は必要ない」というようなことを主張するゲーマーは多いですけれど、実際にそういった配慮がされていない未加工な作品に触れたとき、拒否感なく受け入れることのできる人がどれだけいるかは結構怪しいように思えます。商業作品が長い間培ってきたお約束というのは思いのほか強固で、たとえばWiz風のドット絵なら喜んで遊べる人でも、bmpの微妙なイラストで構成された画面だと途端に抵抗を感じてしまう、みたいなことは結構ありそうな話なのです。

ほそく

「商業っぽさ」がないからと食わず嫌いしてしまうのは勿体ないですよ! っていうことが言いたかったんですけど、ブックマークコメントを見たところ「商業っぽさって大事だね」という風に受け取られてしまった感じなのです。私の言葉が足りなかったのです。あうあー。商業っぽさ皆無だけど面白いゲームも皆もっとやってみるといいのです……。