『スティール・ボール・ラン(10)』

STEEL BALL RUN vol.10―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (10) (ジャンプコミックス)

 ピザ・モッツァレラ! ピザ・モッツァレラ! 定期的に飛び出すお二人様のギャグの意図が読めません。第五部でも謎のダンスとかありますけど、最近頻度が多すぎです。荒木さんにかつてない変化!

「遺体」の正体は明らかにバレバレのように思えるんですけれど、それでもこう勿体ぶって引っ張るのは何かどんでん返しがあるからなのでしょうか。(過去シリーズ由来の人物が「あの人」の立場におさまってたとか) または案外、本物のヴァチカンからの抗議をかわすためだったりして。
 ラストがいつにないピンチ感。命の危険に脅かされることは日常茶飯事の漫画ですけれど、ここまで「登場人物の心が折れている」状態での引きに入ったのは初めてのことのように思えます。

7代目ジョジョのジョニィは、恐らく歴代ジョジョのなかでいちばん弱い人間だが、それだけにかれが卑小な人間的苦悩を乗り越えて成長していくさまには迫力がある。
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20061104

 *1ということで、「強い意志」そのものよりも「強くなること」という過程に焦点が当てられる今後の展開が待望されます。

 巻末に、作者によるスタンド講釈があってびっくりしました。作者自身の言葉がこうやって前に出るのは硬派の荒木さんにしては珍しい……? と一瞬思おうとして、でもよく考えたら荒木さんって昔から扉ページにスタンドの図解とか状況図とかしょっちゅう載せてましたよね。荒木さん以外とお茶目でした。

 あとルーシーさんがやっぱり14歳に見えません。なんですかこの敗北感!

*1:最近はやりの感想リンクやってみた。