泉和良

『ヘドロ宇宙モデル』

宇宙モデル 小説家・泉和良さんという人の、新しい面を前に押し出してきた一冊。彼を「恋愛小説家」という方向性でのみ認識していた人は、本作に少なからず驚くでしょう。天体、SF、宇宙的孤独、シミュレータ、そういった深淵のイメージが、本書の核になって…

『spica』

『エレGY』が変化球だったのに対して本作の筋書きは常道であり、常道であってもその特徴的なホラ吹き文体は健在、やはり歪な奇妙さを帯びた作品になっていました。 常道と言いましたが、常道であるからこそ作者の精神性が際だってくるという面もあります。主…

流水大賞『エレGY』の作者、泉和良さんはSFの人なんですよ

http://d.hatena.ne.jp/kaien/20080829/p1 海燕さんがついにじすさんの小説に手を付けられました。よいことです。 ただし「最高傑作級」という言葉の意味するところを知っている人から見ると、海燕さんが手放しで誉めてるとはとても思えません。「次回作が楽…

流水大賞『エレGY』とフリーウェアゲーム文化の話

フリーウェアゲームサークル「アンディー・メンテ」。その主要メンバーである泉和良さんの作品が講談社BOXの流水大賞で優秀賞を獲得したという報は、私にとって昨年最大の衝撃でした。それから半年、ようやくじすさん=泉和良さんの小説を活字で読むことがで…