『ほしのこえ』
がケーブルテレビで放送されていたらしくて、『サムライチャンプルー』の録画に失敗した地球支部の家来さんが代わりにこれをと持ってきました。「ほとんど一人の人間によって製作された」とか「セカイ系の代表的な作品だ」とか余計な噂を前々から聞いてしまっていたので、ちょっと身構えてしまって作品単体として見れなかったのが残念です。できれば2002年の公開当初に何も知らない状態で見ておきたかった作品ですね。いちおうロボットアニメのはずなのに、雰囲気がとても静かなのが印象的でした。とにかく見ているだけでも心地いいので、三十分弱という長さもあって、何度か見返してみたくなりますね。
よく言われるようにこの作品がセカイ系だというのはもちろん納得ですけど、作品自体について話すときにこういった分類を用いるのはやっぱりあまり有効ではない気がします。たとえばある似た要素をもつ作品が短期間に次々と発表されて人気を得たとして、そういったものを「セカイ系」とか「新本格」と呼ぶようなやり方は、読み手の需要や作り手の傾向、世の中の空気などを考える上でたしかに有効です。でも逆に、ひとつの作品単体をとって考える時に同じ感覚で「セカイ系として」とか「新本格として」という視点から見たとしても、読み解きの助けにはあまりならないんじゃないかと思ってしまいます。(もちろん、作り手自身がその分類を意識して作ったものならまた別ですけど……)