『ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編』
よく考えたら純粋な感想はまだ書いてませんでしたよ! というわけで今さらですが。以前書いたのはこっちです。
『ひぐらしのなく頃に解 皆殺し編』を読んで怒らないために
ミステリーとしての『ひぐらしのなく頃に』-まとめ
えっと、とにかく、プレイ後の数日間は何もやる気がなくなってしまうくらいの衝撃でした。年末の日記*1なんかを見てもらえば、プレイ直前と直後で恐ろしいほどテンションが変わってるのが分かると思います。
真相が明かされホラー要素はもうなくなり、残されたのは極上のエンターテイメント。中盤の展開が多少テンポ悪かった気もしましたけど、リーダビリティの面で気になったのはそのくらい。とにかく十数時間ぶっ続け*2のプレイがぜんぜん苦になりませんでした。もう前六作でどのキャラクターのこともようく知っているので、その一言一言がどんな気持ちから発せられるのか理解できて、心が終始揺さぶられまくりです。本当にもう、ここまでの身体性を備えたキャラクターを他に見たことがありません。
前作くらいからテーマ性、メッセージ性が作品内でも色を濃くしてきましたけど、今回はそれがより強く前面に押し出されました。そういうのが気に入らないという人もいるでしょうけど、中二病に蝕まれて荒んだ心にはグサーと来ます。『クビシメロマンチスト』あたりを読んで「所詮人生なんて」とか空悟りして悦に浸ってる中途半端な連中*3は、みんなこれを読んで打ちのめされればいいのです。いえもう本当、ゲームをやっていて「自分の生き方が恥ずかしくなる」経験なんて、滅多にできるものじゃありません。
「泣けりゃいい」というわけでもありませんし、それだけが作品を測る基準では勿論ないんですけど、これはもうあえて「泣きました」と表現しましょう。秋山さんやザ★ボンさんならともかく、血も涙もない魔族の私が泣いたって言ってるんだからとにかくそのくらい凄いのです。『暇潰し編』や『罪滅し編』でもラストの方で耐えられなくなって少しうぇーうぇー言いましたけど、これはその比じゃありませんでした。まだ中盤にも差し掛かっていない時点で、既にぼろぼろ。泣いて全身が痙攣したり、マウスが持てなくなったりするのは初めての経験です。もうその時点で完全に体内の水分が枯れてしまったので、後半は泣くにも泣けず快適にプレイできたという有様。
とにかく、次がラスト。これまでの七作で培ってきた物語が一体どこへ収束するのか、これだけは見逃せません。少なくとも今年の八月までは、絶対に死ねない理由ができました。
*1:http://d.hatena.ne.jp/Erlkonig/20051230 http://d.hatena.ne.jp/Erlkonig/20051231
*2:いえ、途中で休憩に一時間ほど寝ましたけどね。
*3:はい、私のことですね!