『ひぐらしのなく頃に 暇潰し編(1)』

ひぐらしのなく頃に 暇潰し編 1 (ガンガンコミックス)

出題編第四話。建設大臣の孫の誘拐事件を探るため、雛見沢に潜入した公安の若手刑事赤坂衛。一見のどかな雛身沢村と、ダム建設反対闘争で見せる苛烈さとの落差に恐れおののきおっかなびっくりの赤坂さん。人喰い鬼の住まう地を生き延び、誘拐事件を解決することはできるのか。みたいな。

他の編に比べて原作が半分程度の長さなので、ページにはかなり余裕があるようです。原作での印象深いシーンはほぼ網羅。どうもシーンの順番を大幅に再構成してるみたいなんですけれど、特に違和感もないので問題はなし。

画力については、デッサン狂ってるなーと思えるコマが少なくなくて、もうちょっと頑張ってもらいたいところ。シナリオの都合上、登場人物におじさん連中がやたらと多いんですけれど、そこはちゃんと描けています。ダム建設現場での雛見沢住民による抗議デモのシーンなどは、なかなか迫力がありました。

赤坂さんのキャラクターを表現している序盤の山場、雀荘でのイカサマ対決も完全収録。遊戯王バトルばりの激しい心象描写に気合いが入りまくっていて、ここだけ違う雑誌に載ってそうな漫画です。やっぱり暇潰し編にはこれがありませんとね。雪絵さんもちゃんと絵になっていて、あのお下げをぶんぶん振り回して赤坂さんを尻に敷くのかーと感動。

あと梨花ちゃんもいいんですけれど、幼少期の園崎さんちの娘さんのかわいさが異常。これ、絶対に外海さんの趣味ですね。原作にない結構長めなシーンをむりやり増やしてまで登場させてますし。このシーン、後半にも伏線として活かされたらいいなあとちょっと期待しています。