『ひぐらしのなく頃に祭 第壱章 盥回し』

ひぐらしのなく頃に祭 お持ち帰りぃ~セット(限定版)

 今更ですけどプレイ開始。発売日に買ったのに、まとまった時間が用意できなくてずっと生殺しだったのです……。

 とりあえず適当にプレイしていて最初に入ったのがこの「盥回し」編で、分岐としてはどうやら「ハズレルート」にあたる模様。原作にはないオリジナルストーリーなので、コンシュマー版のいい見定めにはなったかなと思います。

 一本道の原作と異なり、要所要所でお話の分岐するコンシュマー版。その利点がちゃんと発揮されるかどうかはこの後の展開を見てみないと分かりませんけれど、今のところ「既知情報と未知情報のバランスを調整するのに苦労してそうだなあ」という印象があります。

 ミステリーとして見るにしろホラーとして見るにしろ、お話の印象はプレイヤーの持つ情報によって大きく左右されます。たとえば「事件の結末」を知っているかどうかで、その経過を眺めるプレイヤーの態度は全然違うものになるでしょう。「どういう経緯であの結末に至るんだろう?」という態度と、「どんな結末が待っているんだろう?」という態度の違いです。

 この「盥回し」編では、他編の核心に関わるようないくつかの出来事が「先取り」という感じで登場しました。なんか色々振り回され、それこそ「盥回し」にされた挙句たいしたオチもなしに唐突にやってくるラストには肩透かしを食わされますけど、最初に通るハズレルートとして今後の展開に興味を持たせる分には悪くない引きだったかなとも思います。

 ただ、他編で本格的に「その出来事」が起こったとき、まったく何も知らない状態で「その出来事」に出くわしたときほどの衝撃は得られないかもしれません。まあこの手の問題は、「どこからでも読める」形式の作品全般にとって避けて通れない問題なんですけどね。こちらを立てればあちらが立たず。よほど計算高くない限り、偶然任せにならざるをえないところはあるのかもしれません。

 テーマ的には、「疑念に打ち克つ」のではなく「上辺だけの信頼」に逃げたことが敗因ということになるのでしょうか。原作にはないパターンのエンドだったので、そういう意味では新鮮なルートではありました。あと相変わらずみおん(・3・)

 表現としては、コンシュマー版ならではの演出もあって原作と比べ悪いものではありません。ところどころ声を入れ忘れてたり、バグなんかもあったりするらしいので、どちらかというとそっちの方が心配です。あとこれは完全に我儘な独り言感想ですけど、赤坂さんのイラストはもう少し格好良く描いてほしかったです……。だって口元がいやらしいんですもん。あれじゃまるでロリコンです!