魔王反省会

 怒られました。これは私ごめんなさいするべきです。*1ごめんなさい。

 事情はリンク先にある通りです。既に一度ならず拒否の表明は受けていたのに、さらにものを勧めるというのはやり過ぎだったかと思います。表明を受けた後に出た近作がさらに見違えるものになっていたため、それでもあえて一押ししたいという思いはありましたが、それにしても何か別の言いようがあったでしょう。あまりにもはしゃぎすぎておりました。目の前にニンジンをくくりつけられて興奮する馬のごとき見境のない振る舞いでした。

 特に『ハローサマー、グッドバイ』の件は、これはちょっとストレートに怒られても仕方なかったろうと思います。私がどれだけその作品に入れ込んでいるにせよ*2、その感覚は他人である練炭さんには無関係です。相手の大事にしているものを引き合いに出してダシにするような、これはとても下品なやり口だったと思います。反省しています。

 しかも、ものはノベルゲームです。一冊きりのご本を勧めるのと違い、現在発表されている前半分だけでも読破には数十時間を要するでしょう。容易ならざる負担です。その結果が練炭さんの満足いくものならいいのですが、もしそうでなかったら、これはもう私の方でなんらかの責任を取らなければなりません。

 といって、消費した時間を返すことはどうやってもできないので、これはもともと責任の取りようのない問題であります。ですからその場合、私はせめてそれに代わる罰を受けるべきです。私が練炭さんの時間を奪ってしまったのなら、それに見合う時間が私からも奪われるべきです。時間には時間をです。

 折よくというべきでしょうか。リンク先の記事では、長い長いという嘆きと共に何冊もの京極夏彦作品がずらーと言及されています。私が罰を負うとしたら、たとえばここに挙げられたような京極さん作品を片っ端からべりべり読んでいくという形が挙げられるのではないでしょうか。「京極堂シリーズ」は『狂骨の夢』までの三冊が既読で、残りはまったくの未読です。続きの『鉄鼠の檻』から順番に『絡新婦の理』、『塗仏の宴』×2、『陰摩羅鬼の瑕』『邪魅の雫』と読破すれば、おそらく練炭さんが当面で読まれる文字数を越えるくらいにはなると思います。

 感情的なフィルタをできるだけ廃して分析しても、問題の作品が非常に特異な偏りを意図してデザインされた作品であることは断言できます。平凡だとか、単純につまらないという感想は出てこないだろうという自信はあります。でも問題は、その偏りが練炭さんの嗜好に合致する偏りであるかどうかという点にこそあります。そうであることを本当に心から祈っていますが、もしそうならなかったなら、私は京極堂なりカラマーゾフなり指定されたものに頭を漬け込んで相当期間ラリパッパするなどのつけの払い方を考える所存です。

*1:余計なことしなければ危なくありませんと言った本人が余計なことに首を突っ込んでいるという予定調和なので皆さん笑いましょう。

*2:それにしても、「ほぼ一・二時間に一回とかくらいのペースで」というのはやはり誇張表現だったでしょう。「数時間に一回ペース、それも第2話以降」くらいに書いておくべきでした。その次の行の話は偽りないですが。