ライクア外人なゆらぎの神話紹介文
あまりにも素晴らしい紹介文だったので転載させていただきました。細かいレイアウトとかはちょっと変えてます。
「ゆらぎの神話」って知ってるかい? みんなで設定やストーリーを出し合って、一個(か、それ以上の)の架空の神話をつくろう、ってゲームさ。
難しそう、って? ところがそんなことはないのさ。細かい例外は置いておくとして、このゲームにはルールは2個しかないんだ。
- その1、神話参加者は、他の参加者の書いた記述を自由に引用・加工して使用できる。
- その2、この神話体系はあらゆる矛盾を許容する。
どうだい、クールだろ? ロールプレイングみたいに、さあやるぞと思ったら決算資料のような量の設定を読まされて気がつけば朝、だとか、リレー小説みたいにせっかく書いたものが前の話と繋がらなくてボツ、なんてこともないのさ。
さあ、みんなも神話の世界にようこそ!
※トラブルシューティング
さて、こんなにシンプルでエキサイティングな神話だっていうのに、プレイしてる人口はごく少ないんだ。どうも、まだやってない、って人からはすごい難しいものに見えちゃうらしいんだな。
オーケー、それじゃ、神話に対するありがちな誤解を一個ずつ解きほぐして行こうか。
Q−すごい面白そうですよね、でも、他の人の設定がたくさんあって、読むのがたいへんで。ちゃんと読まずに書いても、浮いちゃいそうだし。
A−結論から先に述べよう。まずは、ノー、そしてノー。最後にノーだ(おっと、最初の質問だけは「イエス」だな。その通り、こいつはすごい面白い代物なのさ)。
いいかい、このゲームはルールと一緒で遊び方もシンプル、大きく分けて3つしかないんだ。1.人の話を気にせず勝手に書く。
2.人の話に絡む。
3.神話を編纂する。この3つさ。君と来たら、神話の遊び方の3分の1をもう最初っから捨てちゃうのかい? 3分の1も切って捨てちゃうのは、聖書の神様とハルバンデフにでもまかせておけばいいのさ(おっと、こいつは神話未体験者に出すには不適切な話題だったな)。
いいかい、まずは書くところからはじまるんだ。
そうだね、じゃあ、僕が何も知らずに適当なことを書き込んだらどうなるか、を実演してみよう。
さあ、僕は今日神話っていうのを友達に教えられたところだ。面白そうだけど、確かに設定は膨大、これじゃとても読めそうにない。
でも、誘ってくれた友達がこういうんだ。
「もう僕にも何がどうなってるのかよくわからないのさ」
こう言われちゃ、書かないわけにはいかないよね。
そこで僕はまず、トップページに「この神話は、あらゆる世界観と矛盾が同時に共存する」ってあるのに注目したんだ。あらゆる世界観だって? それじゃ、僕の住むこの世界のことでも書いてみようか! その上SFでも歴史大河でもジャンルは問わない、か。
よーし、それなら、神話という言葉から一番遠い、僕の日常生活でも書いてやろう。今日は彼女とラーメンを食べに行ったから、そのことにしよう。彼女とラーメンを食べに行った。正直、まずかった。
と。これでどうだ。これでだめだって言われたら、僕はもうこんな遊び2度とやらないからな。
おや、そうこう言っているうちに早速コメントだ。なになに、ラーメンは古代ジャッフハリムの宗教行事ラームにその起源を遡る。最高神ラーマによる世界創造を模して、神官はまず、小麦粉をこねて平に延ばす。
だって? おいおい、ジャッフハリムってどこの国だ? ラーメンなんてどう考えたって中国産だぜ−いや、そうか。これがどうやら「あらゆる矛盾を許容する」ってことらしいな。現実の史実なんかお構いなし、ってわけだ。
っと、もう次のコメントがあるみたいだぞ。何々、大地を意味する麺がつゆ(海)に浸されることでこの儀式は完了となる。後のクラマで年末をラーメンとともに越す『年越しラーメン』の伝統は、世界の創造を意味するラーメンを一年の終わりに食べることで、世界の終わりと新生を表現しているのである。
か。とんでもないことを考えるやつがいたもんだね。
いつまでもラーメンの話をしていても仕方がないから、ここからはダイジェストでいこう。この後、ラーマ神に敵対する破壊神テウティキだとかラーマ神を守護する十二神将だとかいう話が出来ていって、最後には僕の最初にした書き込みはラーマ神を冒涜する背教者の言葉にされてしまうのさ。
どうだい、ラーメンを食べたって書き込みひとつでこんなに設定が広がるんだ。
ラーメンのことなんか書きたくないって?
オーケー、それなら君の考えた素敵な大天使や魔剣の出番さ。ラーメンだってこんなにみんなが飛びつくんだ、クールな天使や魔剣となれば、これはもう大騒ぎ間違いなしさ。
最後に、「浮いてしまいそう」という誤解も解いておこう。
現在、一番人気のある話が「71人の魔女」「猫vs竜」「創世神を付け狙う3人のホモ」だ。どう、こんなところで君の設定は浮けるかな? もし浮けるのなら、そいつはきっと飛びっきりのアイディアだ。いつだって歓迎するよ!
Q−昔1回だけ書いたんですよ。でも、誰も設定に絡んでくれなかったんで。
A−今書いている人たちってのは、このゲームの正しいプレイの仕方を心得ている人たちだ。つまり、いちいち全部の記述なんか読んじゃいないのさ。
よーし、いいだろう。このゲームのうまいやり方を教えてやろう。こいつはさっきの質問で紹介した「遊び方その2」だ。
いいかい、僕は今、ミアスカという魔法使いを考えたところだ。こいつは言葉を並べて呪文を唱えるただの魔法使いじゃない。呪文を唱えるのに必要な言語を作るところからはじめている大魔法使いだ。みんなが普段使っている言葉は、ミアスカが魔術のためにつくりあげた言語の残骸なのさ。でもこれだけだと誰も絡んできてくれないかもしれない。そんなときは、ほんのアクセントでいいから、人の設定に絡んでみるのさ。
ためしに、mixiの神話トピックを開いてみよう。一番新しい記述にこうある。グレンテルヒのことを、紅蓮照日という名で太陽神として崇めている地域も有る。
火の神様として崇めている地域では、グレンデルヒ/紅蓮出火と呼ばれている。私の思う所では、グレンデルヒ(紅蓮出日)が成長してグレンテルヒ(紅蓮照日)になるのだろう。『テ』に付いた濁点が未成熟をあらわす理由は調査中。
だそうだ。うんうん、濁点ね。そういえば、僕の考えたミアスカには濁音がひとつも入っていないぞ。よし、じゃあミアスカの作った言語では濁音は未成熟を表すことにしよう。大魔法使いミアスカの華々しいデビューはこうだ。
大魔法使いミアスカは、呪文を唱えるよりもまず、その呪文を可能にする新しい言語をつくるところからはじめた。この言語では濁音は概してマイナスの意味を持つため、攻撃呪文のほとんどは濁音で構成される。
これでオーケー。何がどうなるのか説明してみようか? これは僕の目から見たら自分の考えた魔法使いの記述だけど、一個前の文章を書いた人からすると、グレンデルヒとグレンテルヒに関する記述なんだ。こうなると、自分の話の続きが書かれているんだから気になっちゃうよね。
これで、嫌でも君の書く話は注目の的になっちゃうのさ。
逆に向こうの方から君の設定に絡めて話を書いてくることもあるかもしれない。そうしたら、もうあとは自分の設定を書き続けるだけで立派な神話の仲間入りだ。ついでに、書いてるうちにだんだん神話の世界がわかってきちゃう、って寸法さ。
Q−一生懸命読んでるんです!でも、もう覚え切れなくて……
A−はい、これが神話の3つ目の遊び方さ。
何をやってもいいって言ったろう?
量が多すぎるなら、自分で減らしてやればいいのさ。
いいかい、君は最初の頃この神話をちらっと読んで、アルセスという少年神とシャルマキヒュという女神のことは覚えている。それが、久々に来てみたらもう数が増えすぎてなんだかわからない。オーケー、じゃ、もうこの二人だけにしちゃおう。「男性原理たる少年神アルセス、女性原理たる女神シャルマキヒュは、あらゆる神々の原型である。ほかのすべての男性神はアルセスを中心に伸びる無数の影であり、他のすべての女性神はシャルマキヒュの無数の反射像である。」
ほら、これですっきりした。これで、あとは君が神話を読むときは、女だったらみんなシャルマキヒュ、男だったらアルセスということにして読んでしまえばいいのさ。簡単だろう?
さあ、みんなもレッツ・神話!
そのほか、神話の便利な使い方
・明らかな間違いを指摘されたら、神話と言い張る。
例)「ヘイジョニー、ヘンリー・ガーターが引きこもりだって? とんでもない、お前はいつから大法螺吹きになったんだ?」
「いや、あれは神話の記述というものさ」
・明らかな嘘を指摘されたら、神話と言い張る。
例)「なあアニー、プロフィールにアーティストって書いてあるけどさ、その。無職の間違いじゃないのか?」
「うっさいわね! ほっといて頂戴、神話よ神話!」
・コメントに困ったら、神話の記述をする。
例)「なあ、つまらねえ日記もあったもんだな。読んでやるから、1ページごとに2万よこせよ」
「オーケー、2万エルでいいかな? 明日紀神バンクに振り込んでおくから、口座番号を教えておくれよ」