狭間の地の記録(2) - ケイリッド探索

聖なる刃

 なんとなくリムグレイブあたりを歩いてた頃、たまたまその辺にいたスカラベから戦技「聖なる刃」を手に入れ、イウワァバイ氏の戦闘スタイルを定める大きな契機となりました。

f:id:Erlkonig:20220417223403j:plain

 これは聖属性の剣波ビームを撃つ技で、消費FPを考えると初期はそんなに連発できるものでもないんですが、ビームの副産物としてしばらく剣がビカビカ光るのがキモ。カッコいい光の戦士気分に浸れるうえ、実際に聖属性エンチャント効果があるので、再生ギミックが面倒な不死系のモブをサクサク瞬殺していくことができます。ボス相手でもかなり優秀なダメージボーナスがつくっぼいので、不死系のボスで苦労することがほぼなくなりました。

 もともと信仰メインでステータスを振っていくつもりだったので、亜人の死体から漁ったファルシオンにこの戦技で聖属性をつけ、念願の信仰武器が完成。ファルシオンはタメ攻撃の1撃目が弱くて2撃目で大ダメージが出るというやや癖のある挙動ですが、2撃目の方がリーチが長いので「2撃目だけ当たらず損をする」ということはほぼありません。意外と使いやすく、これが長く親しむメイン武器となりました。

ケイリッド探索(逃げ回りながら)

 ストームヴィルはとりあえず後回しにして、探索範囲をどんどん広げていくことにします。シーラフ河周辺を行けるところまで行ったり、ケイリッド地方の地図を埋めたり。おそらく適正レベルよりだいぶ低い状態なので、ほとんどまともに戦わず霊馬トレントで逃げ回ってアイテムだけ拾っていく感じです。突っ込んだところまでは入り込めませんが、それでも上位の鍛石やらはいくらか集まったので、武器強化へのワクワクが高まりました(低レベルの鍛石が足りないので、この時点では宝の持ち腐れなのですが……)。

 赤獅子城手前の不落の大橋あたりで巨大イヌと人間兵士が乱戦してる箇所があったんですが、このゲームって自分で倒さなくても周りで敵が死ぬだけでルーンが手に入るんですね。わりといい量のルーンが獲得できるので、高台から惨状を眺めながら一休み。漁夫の利で得るルーンは美味い。なおラダーンに会えるという赤獅子城の方にも向かってみましたが、クソでかい火の玉が飛んできて焼け死にました。何あれ?

 ケイリッド地方中央のエオニア沼は朱毒が怖い上に敵もさらに強い感じだったのでスルーして、谷間をお馬で飛び越えて東部の「グレイオールの竜塚」に侵入。野良のドラゴンが普通にその辺ほっつき歩いてて仰天しましたが、このサイズの生物ともなると人間などにいちいち構ったりはしないようで大して襲われることもなく駆け抜けることができました(逃げる側の気持ちとしては冷や汗ものでしたが……)。そのまま大陸を北上し、ついに北端の獣の神殿まで到着。これ以上先の浜には降りられなさそうだったので、ケイリッドの探索はこの辺でいったん切り上げとしました。

 獣の神殿周辺には卑兵がウロウロしています。一撃のダメージが重くて即死の危険があるものの、よその卑兵と違ってあまり徒党を組んでないので、背後をとっての各個撃破が容易。1体1000ルーンという現時点では破格の見返りもあり、以降しばらくはこの地域が定番のルーン稼ぎスポットとなりました。

f:id:Erlkonig:20220417224555j:plain
 これはキレムの廃墟辺りをうろついてたびっくりどっきりメカ。このあと回転しながら全方位に火炎放射ばら撒いてきました。なんか今回のこのゲーム、こういうトンチキ突っ込んでくる比率高くありません?

狭間の地の記録(1) - リムグレイブ~ストームヴィル城

最初の探索

 まずはチュートリアル洞窟のボスで5回くらい死んでからの幕開け。下手くそ!

 とにかくオープンなフィールドというものを満喫したかったので、メインシナリオもそこそこにひたすら世界を巡り歩きました。出発地点のリムグレイブを歩き回ってるだけでも転送罠やら井戸やらでケイリッドとか地下シーラフ河とかに飛ばされて、「ヤバい!!」って叫びまくるめちゃくちゃ楽しい経験。この辺りのインパクトある地形にスタート直後からアクセスできるの、「場違いなところに出てしまった!」って焦らせる絶妙な配置だと思います。特に初日はまだ他人からの情報もないので、「ここ見つけたの自分だけでは?」ってワクワク気分に浸れるのが本当に未踏地を冒険してる感じがして最高でした(そんなわけもないのですが……)。

 ストームヴィル城の門を守る「忌み鬼、マルギット」*1には歯が立ちませんでしたが、他にも行けるところはいくらでもあるのでどんどん探索。ケイリッド方面は初期から自由に走り回れるものの、流石に敵が強すぎて散策もままならないので、とりあえず序盤推奨マップと思われるリムグレイブや啜り泣き半島を歩き回ります。「地図を拾える」システムに気づくのに大分かかったので、初期はかなり非効率に迷子になっていましたが……。

 この頃はハイト砦やモーンの城に挑んで死にまくってた記憶があります。ハイト砦のケネス・ハイト様、「ハァ……褪せ人か……でも私は器が大きいから褪せ人でも歓迎するぞ。家臣になんない?」「亜人と共存できると思ってたけどあいつらキレまくってて無理だわ……世の乱れを正す真の王を探さねばならんから、すまんけど家臣になる話はナシね……」とか、よく分からない小物っぽさと人の良さがあって、好きです(でもこの世界だと長生きできなさそう……)。

 なおこれは確かモーンの城で撮影した黄金樹。美しい……(なんでこの世界どこ行っても人間が吊るされてるの???)。
f:id:Erlkonig:20220410195259j:plain
 

マルギット撃破、ストームヴィル城正面突破

 何やかんやあり、クラゲのクララちゃんの助力などを借りながらどうにかマルギットを撃破。撃破というか相討ちだったのですが、復活したらちゃんと倒せた扱いになってたので安心しました。撃破後セリフとかは聞き逃した可能性がありますが……(なんかマルギット戦が有利になるお助けアイテムもあったみたいですが、まったく気づきませんでした)。

 お城には脇道から忍び込むルートと正々堂々正門から入るルートが選べて、脇道を進むのがゲーム的にはたぶん正道なのですが、とりあえずダメ元で正面突破に挑みました。遠距離から矢を射掛けられるばかりで全く戦いにはならないので、正々堂々と言っても逃げたり転げ回ったりしながらチェックポイントを見つけるまでひたすら走り抜けた感じです。

 どうにか最奥まで辿り着いて、初のデミゴッド・接木のゴドリックにお目見えできたんですが、当然勝てる相手ではないので返り討ちに遭います。前半は力押しでどうにかなっても、回復瓶等のリソースが尽きた状態で突入する後半戦がどうにもなりません(開幕ブレスで毎回即死するので、トライアンドエラーもままならないし……)。ストームヴィル城からはいったん退去し、またしばらく修行の旅に出ることにします……。

*1:何もかもよく分かってなくて、最初はこいつがデミゴッドのゴドリックだと思ってました……。

狭間の地の記録(0) - 前書き

 ELDEN RING、人生でここまで集中的かつ持続的、なおかつ健康的にひとつのゲームに熱中できたこと初めてでは?*1 ってくらい楽しくハマっています。正直日記をつける間も惜しいくらいなんですが、ELDEN RINGの初プレイって人生に一度の体験なので何らかの記録を残したい気持ちもあり、お昼休みの読書時間を潰すかーという折衷案に至りました。この記録を付け始めた時点で既にタイムスタンプは125時間をカウントしていますが、*2。そこまでの分も含めて過去に遡りつつ記録してみようと思います。

 ELDEN RINGの初プレイを十全に楽しむためのマイルールとして、以下の方針を設けています(あくまで自分が楽しむためのルールなので、「ここで徹底しても楽しくならないな」と思った時は拘らないようにしてますが……)

  • 攻略情報の積極的な検索やwikiの閲覧は原則しない
    • TLや知人から情報収集するとかはアリ
    • 楽しさを損なうレベルで変なハマり方したときはピンポイントで検索してもええでしょ
    • あとこの日記をつけようとして正確な名前が分からなくなったときとかよく検索してます
  • なるべくいろんな戦い方をする
    • いつものプレイだと、安定攻略優先で筋力一直線になりがちなので……
    • 遺灰や状態異常、遠距離攻撃やヒットアンドウェイも自分が楽しい範囲でどんどん使っていく

 特に情報収集についてはかなり意図的に縛っているので、「調べればすぐなのに何じれったいこと繰り返してるんだ?」と思われるようなことも多数やってると思いますが、ご容赦ください。

黒衣の怪人イウワァバイ

 複雑な操作への苦手意識があるのでこういうゲームでは肉体派寄りのビルドにしがちなんですが、本作は育成の幅広さを売りにしているようなので、「色々やるぞ!」という強い意思を持って搦め手寄りの育成を目指すことにしました。具体的には魔法とかアイテムとかを積極的に使っていきます。

 このゲームのフィジカル(筋力、技量)以外の主なパラメータは信仰、知力、神秘。信仰は祈祷系の魔法を、知力は魔術系の魔法の威力を上げるようです。神秘は……何でしょうね……(プレイしてみた感じ、出血系武器の威力とか竜に関わるアクションとかに影響してました)。流石に純粋な魔法使いタイプは自信ないので武器も振れるようにするとして、該当しそうな初期クラスは「囚人」「密使」あたり。囚人のビジュアルがとにかく強烈ですが、それだけに囚人選ぶ人多そうだったので、迷走上等という気持ちに従って密使を選択しました。信仰が高く、筋力技量もそこそこ。神と組織に忠実な、教会暗部の暗殺者という感じですかね。知力が低くて魔術は向いてなさそうなので、祈祷メインでやっていきます。耐久性も低いですが、そこは低いと話にならないのでどうせ後々伸ばすことになるでしょう。

f:id:Erlkonig:20220409224652j:plain
f:id:Erlkonig:20220407095403j:plain

 ビジュアルはこんなんになりました。黒衣の怪人イウワァバイ氏。

 元ネタはこれ
黒衣の怪人イウワァバイ - ゆらぎの神話百科事典

 かなりよく分からない人物(人物なの?)ですが、よく分かんなさがちょうどいいかと思いチョイスしました。たぶん本人も自分のことがだいぶ曖昧になってて、何らかの上部組織の何らかのミッションを遂行せねばならぬという強烈だけど具体性のない使命感に衝き動かされてる感じかと思います。時々記憶にないことをしたり身体から変なのが出る。「褪せ人」やら「二本指」信仰やら、プレイヤーにも世界の背景がよく分からない状態でゲームが始まるので、このくらいボンヤリしたキャラの方がかえって動かしやすいのではと思います。

f:id:Erlkonig:20220407095449j:plain

 ちなみに形見の品はゆでエビにしました。どういう経緯でこれが形見になるの?

*1:Civilization4とEuropa Universalis3は生活と健康を破壊したのでノーカン

*2:という下書きを書いてからもけっこう時間が経っていて、04/09当日のプレイ時間は180時間です……

『幻想水滸伝II』

 一〇八星を全員揃えてクリア! グリンヒル潜入あたりでクライブ勧誘が手遅れになってることに気づいて1回やり直しましたが、プレイデータとしては53時間ほどでした。Iと比べると倍以上のボリュームですね。

 RPGとしては紋章の装備箇所が増えたこともあって編制の幅が広がり、戦法が多彩になった印象です。一部のインタフェースでは控えメンバーの紋章や武器育成もできるようになったので、大勢のキャラクターを管理する煩雑さもいくらか軽減。それでもメンバーを入れ替える際の編成のやりくりには手間が掛かるので、戦略系のゲームくらい思い切った全軍一括編成のインタフェースがあればありがたかったですかね。いろんなキャラクターを使ってこそのゲームだと思うので。

 ほとんどのボスに初見で勝てましたが、その割にあんまり楽に勝てた印象もなく、毎回ヒーヒー言ってた気がします。アクセサリ系と消費アイテム系の装備欄が共通なんですが、消費アイテムうまく使えない族の私はアクセサリ系で埋めてしまうことが多く、よくジリ貧の消耗戦になってた気がしますね。長いダンジョンの後にボスが待ってるケースが結構あったので、警戒した結果魔法を撃ち控えすぎたり……。そこまでやり戻しが発生するわけではなく、それでいて道中でも常に緊張感があったので、難易度はちょうどよい感じでした。ルカ・ブライトみたいな強敵がちゃんと強敵感ある戦いになってるのが良かったです(調べてみたら、1戦目と2戦目は負けてもよかったみたいだけど、そういうところの見せ方も含めて)。

 一〇八星のセリフ量が全体的に増えて、それぞれのキャラクターがより掘り下げられていたのが嬉しかったです。シナリオ上ちょっとしか絡まないキャラクターでも本拠地で話しかけるタイミングによって細かい差分がいろいろあったりして、急いでシナリオを進めなきゃいけない時でもついつい寄り道を繰り返してしまいました(チョイ役の中では、出番少ないながらもツァイとの絡みが印象的なトモが好き。かわいい)。

 メインのシナリオでは主人公、ナナミ、ジョウイを軸にしたエピソード回しがやはり本当に良くて、ミューズでジョウイの帰りを待つシーンの郷愁、ティントで全てを捨てて逃げ出すルートの哀しさは今後もたびたび思い返すことになりそうです。IもIIも「子供が戦乱に巻き込まれ、大人の都合で担ぎ上げられていく物語」で、Iの頃からその構図のうしろめたさみたいな視点はあったと思うんですが、IIはそれをはっきり主軸として押し出してきた感じでした。I主人公が反乱軍のリーダーに持ち上げられていく姿を間近で見てきたフリックやヴィクトールはII主人公に対しても思うところがあった様子だし、冷徹な作戦をどんどん出していくシュウも根っこのところで自分たちのしていることがどういうことか分かっている。一方で、いくら才覚があっても似たような年齢の子供であるアップルには「子供が戦うこと」の意味合いがかえって掴めず、逃げ出そうとする主人公の気持ちを理解できなかったりする。キャラクターの軸がすごくしっかりしてるな……と思います。

 ドット絵の表現も素晴らしかったです。「古き良き美麗なドットグラフィック」の例として挙がりがちなのはスクウェアSFC最終期のFF6ロマサガ3バハムートラグーンあたりだと思いますが、幻想水滸伝のドットにはまた違った魅力があって、とにかくキャラクター表現が豊か。それもマンパワーをかけて汎用的な感情表現差分を数多く用意するというのいうのとは違って*1。場面場面に合わせてキャラクターに「演技」をさせるための一品もののドット絵がびっくりするくらい細かく手作りされている感じでした。

 例えば特定のシーンでしか使われないお酒を酌み交わすの絵、特定のキャラ同士が握手する絵、特定のキャラが特定のキャラを引きずる絵……。本編での出番がほとんどないようなキャラでも、居酒屋の卓に座って飲んだくれているドット差分が用意されていたりして、ほんの1枚のドット絵がそのキャラクターの性格や立ち振る舞いをとても見事に表現している場面がいたるところにありました。ここまで見事なドット表現の使い方、私の記憶の中では他にちょっと思いつかないくらいですね。

 IIをやったら当然IIIも……という流れになりそうなものなんですが、色々な話を聞く感じこのシリーズの開発体制はIIの頃が最高潮だったみたいな事情も見えてくるので、ここから先どうすべきかなーというのはちょっと思案ポイントです。とりあえずここから先は開発スタッフが再集結する『百英雄伝』を本命に見据えつつ、ほかの幻水シリーズの方もちょろちょろつまんでいけたらな……と思います。

*1:そういうのは漫符とかで代用されてるので、むしろ少ない方かも

Fate/Grand Order『レディ・ライネスの事件簿 -Plus Episode-』

news.fate-go.jp

 内容ほとんど忘れてたけど、やり直してみたら「けっこう好きだったな〜」って思い出しました。FGOの過去シナリオを(与太イベント含めて)クエストの中で振り返っていく形式がいい。必ずどこかおかしいのもちょっとした間違い探しの趣があって、クエストの単調さを減じることができてたのではと思います(どうやっても単調は単調なんですが……)。

 復刻はほとんどやらないので今回は追加シナリオ目当てで走った感じですが、追加部分が抜群に良かったですね。新作・贋作のテーマは初期のダ・ヴィンチイベントの頃からFGOの定番ではありましたが、そもそも主人公自身が「本物」サイドに陣取る物語上の特権的存在。どうしても「偽物」サイドへの隔意が拭えない感があったのですが、今回は「消滅したところで大差のない偽物たち」視点のお話だったので面白みがありました。終盤のイスカンダル登場や銀河鉄道の盛り上がりも良く、演出込み込みで楽しいシナリオでした(本編部分より演出予算かかってる感じありましたよね……)。

メギド72「この言葉、君に届け」

megido72-portal.com

 昨年に引き続き、すごく良い年始イベントでした。メギドの面白いイベントにも色々あって、個々の要素が一定以上の質をしっかり保って安定した面白さが提供されている場合もあれば、何か異様な要素が一転突破で突き抜けてくる場合もあるんですが、今回はシナリオ、メインキャラクターの造詣、サブキャラクターの使い方、音楽や歌詞といった各要素がしっかり嚙み合うように統一感を持って作りこまれていました。

 シナリオ本編のロキとマネージャの話がまず良かったんですが、ロキの個人シナリオでもそこがさらに深堀りされているし、単純にライバルというポジションに収まらないプロメテウスとの関係も良い。ロキの歌とプロメテウスの歌も良い感じの相補関係になっていて、本編を読んだ後それぞれの歌詞を交互に聴き込むのがすごく楽しい。メギドのメインシナリオは毎回すごく作りこまれていますが、今回のように本編シナリオ、個人シナリオ、音楽の歌詞といった要素が総合的に効いてくるのはイベントならではの面白さですね……。

 端役のところでは、一歩引きながらもしっかり個人の物語と葛藤を見せてくれたフルーレティの「創作と現実への向き合い方」もすごく良かったです。「創作を通じて現実を変えたい、次こそは変えて見せる」という意思を表明していく一方で、「薄っぺらい創作で過去の事実を覆い隠すのは一種の冒涜」という自省が前提としてちゃんとあり、それでも「創作は未来に対する祈りとしてある」という風に話を持っていく。この辺はプロメテウスの『この歌響け』と完全に対応していて、「音楽は都合よく世界を変える魔法なんかじゃない」「"祈り"が後押ししてくれる」のくだりはまんまそういう話をしているんですよね。

 今回のフルーレティ関連は、メギド72というゲームが創作と現実の相互性に対してどういう態度で向き合っているかを一側面ながら象徴するエピソードだったと思います。ライターや運営の本心なんて知りようがないにしても「作家」であるフルーレティの示す創作倫理を作品自体に何も還元しないのはかえって無理筋ですし、過去のプロデューサーレターで表明されてきた「娯楽作品でありながらも現実との相互作用をないものとしない」スタンスにもそぐう話だと思います。「メギドの思いの片鱗、たしかに受け取ったぜ……!」という気持ち。私はフルーレティ召喚できませんでしたが、いつか引いてちゃんとキャラスト読みたいです……。

メギド72 9章3節 感想

 今回は印象深いセリフに加えて設定的に突っ込んだ話も多々あり、スクリーンショット数えたら450枚近くになってしまいました。メギドのメインシナリオって面白すぎて逆に感想書きそびれるところあったんですが、何も残さないのはやっぱり勿体ないので今更ながらメモだけでも残しとこうと思います。

 戦いとしてはまるまる砲撃作戦の攻略でしたが、最大の見どころはやはり中盤で挟まれる大罪同盟の過去回想だったと思います。8章ラストでソロモンが想った「かつて、あの人たちに何があったんだろう」という独白。ずっと温められて(そして練り込まれて)きたであろう同盟の内実が遂に明かされたのだけでも感慨深いんですが、自分の預かり知らぬところで形作られた関係性を後から知っていく過程がすごく面白くて、「お前ら、お前らほんま……」って身悶えに近い気持ちになりましたね。

 同盟は当然一枚岩の集団ではなかったんですが、もっとドライな関係かと思ったら想像以上に紐帯が強くて、あのアスモデウスさえ明確な仲間意識を抱いていたことが言葉の端々から伝わってきます。結局は敵の方が一枚上手だったので同盟は内側から崩壊したわけですが、その後も同盟が残した流れを絶やさぬために各々が各々のやり方で手を尽くしていたし、半ば敵の傀儡と化してしまった8魔星さえ「同盟に代わるもの」を目指してはいたんですよね……。

 同盟が崩壊していく一部始終を最も俯瞰的に眺めていたのが他ならぬルシファーで、ことの顛末が彼女のモノローグとして語られたのがまた哀切を抱かされるところでした。ルシファー、意思のない姿しか見てなかったから何を考えてるのか全然わからなかったけど、こんなにストレートに同盟のことを思っていたなんて……。9章4節が俄然楽しみになってきました(9章4節でルシファーが仲間になると思い込んでいる人)(だって皆が期待してるこのタイミングでガギゾンが仲間になるのはあんまりにもあんまりだし……)。