ていうかそもそも「伝奇」って何ですか?

現代学園異能がちょこっとブームの機に便乗してこの私が「伝奇」をキーワード化してやる! と一念発起しかけたんですけど、よく考えたら「伝奇」の定義について私自身よく分かってません。*1ヘ、ヘルプミー! コメントプリーズ! 
えっと、一応手元の新明解国語辞典(第四版)を見てみると、

  1. 普通では考えられない超現実的な話(を題材とする小説)。
  2. 伝記を脚色した小説。

だそうです。あんまり役に立ちません。
私自身の感覚としては、

  • 舞台が現代(であることがほとんど)
  • 超現実的なあれこれが物語を主導する
  • (歴史的、神話・伝承的要素が関わることが多い)

みたいな。
ファンタジーと伝奇は超現実という点で同じもののようにも見えるので、両者の差を示す必要があります。これも私感なんですけど、前者が超現実自体に重きを置いているのに対して、後者は現実の中に入り込んだ超現実を描いてるという違いがあるのでは、という気が。というわけで、とりあえず伝奇を「日常を非日常が侵食する」要素を持つ物語、という風に仮定してみます。
で、伝奇に歴史や伝承の引用がやたらと多い点について。この問題は、必須ではないっぽいけど出現率がとにかく高い、ということで伝奇の定義を分かりにくくしています。これに関しては「歴史・伝承という現実のルーツと思われていたものが実は超現実の温床だった」的真相を見せることで、超現実が現実を侵食する際の橋渡し*2として効果的だったのではないのかな、とか。つまりこれは推理小説に対する殺人事件のようなもので、「殺人は推理の小道具としてとても便利だけれど必須というわけでもない」のと同じことなのだと思います。みたいな。ぶっちゃけよく分かりません。

記事に直接飛んできた人用の追記

学園異能に絡めて下の記事に続きます

*1:追記。参考までに私の頭の中にある「伝奇」作品を思いつく限りで並べておきます。高橋克彦さん(『総門谷』『竜の棺』系)、半村良さん(未読イメージ)、菊地秀之さん(未読イメージ)、梅原克文さんの『カムナビ』、眼球シリーズ、沙藤一樹さんの『X雨』、流水大説士貴智志さんの『神風』、MMR、あとひぐらしとか。偏りまくってますね、はい。

*2:特に昔は漫画もゲームもなかったので、フィクション感の少ない非日常に触れる機会が自ずと昔話や神話方面に多くなったのでは。