『ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟』

ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟 (電撃文庫)
わりとかなり当たり。いつも捉えどころのない上遠野さんの作風ですけど、今回は何かがカッチリはまって分りやすかった気がします主観的に。こういう二人組みを書かせると上遠野さんは上手いですね。あと最後の電話のときの六峰おじいちゃんが格好良すぎました。格好良いというか何というか、とにかくああいうのが「受け継ぐ」ということなのかなあと。
とりあえず「世界の敵」の定義はかなりはっきりとしてきたので、それが進展といえば進展。たとえば死線の蒼の人とか人類最悪の人は多分アウト。吉良吉影さんとかDIO様はセーフでしょうね。プッチ神父はアウトかも知れません。際限がなく歯止めの利かないものがそれである気がします。やっぱよく分かりません。
今回のブギーさんの立ち位置は、これまでありそうで実はなかったものですね。いつもは最後の最後で数ページほど登場するだけですし、戦闘も基本瞬殺なのでこんな真っ向勝負は久しぶり。実は歪曲王以来かもしれません。マイスタージンガーの口笛も響きまくり。ブギーさんは本当に自動的なのだなあと思いました。『ブギーポップ・オートマティック』とかやりませんか。もう辻希美さんでオートマティック使ってるから無理ですかそうですか。
今回は緒方さんの挿絵がいつになくいい仕事してたと思います。カラーページの絵は三枚とも目を見張るような印象。お目めぱっちり。あと藤花さんの睨みが凛々しすぎました。