宿敵サリンジャー - 『フラニーとゾーイー』

フラニーとゾーイー (新潮文庫)

くっ……くやしいっ……!

サリンジャーさんの小説が読めません。小説としてどの部分をどう楽しめばいいのか、この作品を誉めている人はどの部分をどう読んで楽しんでいるのか、というのが分からないのです。ひとつひとつの会話の意味はまあ何とか捉えられます。でも、それを「小説の流れ」として見ることができないのです。

「この作品のウリはこの部分なんだろうけれど、個人的にはあまり趣味ではないな」と思うことなら、たまにないでもありません。「この本の面白さを完全に読み取るには、自分はまだまだ修行が足りない」と感じることもあります。でも、「この本のどこを読めばいいのか全く分からない」という感想を抱いたことは、サリンジャーさんの著作を除いては思い出せる限り一冊*1しかありません。

「作品をつまらないと感じるのは、自分の読み方が悪いからだ」の原則を数少ない心掛けとしている私にとって、これはちょっと大問題です。アイデンティティクライシス! サリンジャーさんの作品を何とか攻略しない限り、私はこの先に進めそうもありません。打倒サリンジャー。宿敵サリンジャー! ライ麦戦隊サリンジャー