「厄醒し編」其の参「予定調和」

 今編は、沙都子ちゃんのがんばり物語という様相を呈していますね。原作では沙都子ちゃんが単身能動的に行動する編というのはなかったので、オリジナルストーリーとして上手く差異を出せていると思います。

 祭具のほつれという微妙な変化に驚く梨花ちゃん。この時点の梨花ちゃんなら毎回その程度の微妙な差が存在することは十分知ってるはずなので、初めて気付いたような反応はどうにも不自然でした。「未来が変わりうること」を強調するための演出だったのでしょう。

 そして富竹。だめだこりゃ。喉を掻き毟るシーンが淡々としすぎで笑うべきかどうか判断に迷います。かわいそかわいそなのですよ。

 沙都子ちゃんは「梨花ちゃま」なんて言わないので、大石さんに通報したのは多分一般の村人でしょう。でも自分の身元がばれないように大石さんと示し合わせてわざとそう言わせた可能性とか、いくらでも深読みはできますね。

 ラスト付近に熊谷さんが登場してましたけど、どうにも老けすぎてる気がしてなりません。熊谷さんはまだ初々しさの残る若手刑事のはずなんですけど、この人はどう見ても不惑は行ってます。ちなみにゲーム版の熊谷さんの顔はこんなので、見た目かなり別人です。

 ひぐらしの警察関係者にはもう一人、大石さんと「さん」付けで呼び合う同僚刑事の小宮山さんがいます。この小宮山さんはアニメ版でも「崇殺し編」などでその顔を確認できるんですけれど、こちらは逆にいかにも「若手」という感じ。

 思うにこのアニメ版では、何かの事情で熊谷さんと小宮山さんの年齢設定が入れ替わってしまっているのではないでしょうか。まあ脇役の設定がちょっと変わったくらいで文句を言うものでもないと思うんですけど、個人的には若々しい熊ちゃんが見たい! 見たい!

 絵の綺麗さは良質な状態を保てているものの、いろいろ不自然な描写が増えてきた気がします。いちばん顕著だったのはやっぱり尾行*1のシーンで、もうどこの素人っていうくらいバレバレ。不自然極まりありません。

 これはきっと、人物の配置とか構図を詰める時間がなかったということなのでしょう。絵が崩れていないのでそれほど酷くは見えないものの、このレベルの不自然を放置してしまうなんて実際の製作状況は結構まずいところまで行ってしまってる気がします。やっぱりなかなか安心はできないようで、もう今からガクブルです。

 次回は「厄晒し編」の最終章になるかと思います。この重要な回で一度質が回復するか、そのまま更に下降してしまうかでスタッフのスケジュール管理の良し悪しが測れるかと思うので、注目して見守りたいと思います。

*1:それにしてもこの尾行男、シチュエーション的に赤坂さんに見えて仕方ありません! このロリコンめ!