『PLUTO(4)』

PLUTO 4 (ビッグコミックス)

 天馬博士がすごい大物の雰囲気を発していて、どう見てもお茶の水博士以上の風格の*1浦沢版鉄腕アトム第四巻。完結までに数年の時間を要する分、漫画という媒体は小説以上にサスペンスに向いているのかもしれません。じらしじらしー。

 「ロボットの死」が扱われるこの作品ですけれど、何をもって死としているのかが気になってきました。単純な清掃ロボットとかならボディが大破すれば終わりかもしれませんけど、本作の中心となる「地上最強の七体のロボット」くらいになれば、国家レベルの修復作業が得られるでしょう。電子頭脳が破壊されたとしても、これほどのロボットならバックアップくらい常に取っていることと思われます。

 形としては、全身が大破して技術的予算的に二度と同じものを造れなくなってしまったというパターンがいちばん分かりやすいです。ところが今巻で戦闘によって機能停止したあるロボットは、外見的な損傷はほとんど見られなかったにも関わらず「死亡した」として報道されました。内部の精密な部分が駄目になったとか磁気でやられたとかいろいろ可能性はありますけれど、実はそれ自体が何かの伏線だったみたいな展開もありそうで大人ずるい大人ずるいと思いました。

*1:実際そういった立場の人間として扱われてますけどね。