感想:アリスインプロジェクト『真説・まなつの銀河に雪のふるほし』

 ちょっと時間が空いてしまいましたが、先々週くらいに観てきました。観劇はあまり経験ないのですが、以前2回観た『アリスインデッドリースクール』が良かったので、アリスインプロジェクト繋がりで観に行ってみた流れ。冷凍睡眠から甦った主人公を除く現生人類が滅んだ地球で、寿命20年のデザイナーズチャイルド、動物とのハイブリッド、AI、情報生命など、「旧人類」と似た姿をした少し違う人たちが地球外の人類と連絡をとるためのロケットの発射を巡ってあれこれする群像劇です。

 SF的なガジェットが沢山登場するのですが、そこの説明に拘らずにさらっと流していくのが、小説中心の人間としては新鮮でした。いちいち説明してたら時間が足りないのもあるでしょうけど、ロボットの人工知性が当たり前のように「個性」を尊重して奇矯な行動をしたり、滅びかけた肉体を捨てて情報の海で生きていくかどうかの選択を善し悪しでなく当人の「感じ方」の選択として当たり前のように処理したり、説明をしないことによって結果的に「当たり前」として扱われてていく諸々がなんか良いな、と思いました。

 群像劇の中で役者さんの演技を観る、という感覚がまだ上手く掴めていないので、ちょっと話の筋を追うことに注意が向きすぎたかもしれません。もう一度観ればもっと役者さんの演技に注目できると思うのですけど、公演期間が5日間と短く、よほどコアな人でないと何度も観に行くのは難しいので、「演劇の見方」というものをもっと身につけた方がいいのかもしれませんね。