『ブギーポップ・ダークリー 化け猫とめまいのスキャット』
- メインキャラクター四人、この中に合成人間と世界の敵がいる! という案配で、わりとフーダニット色の強い作品。
- これまでにないほど親切なブギーポップ。ヘルプ対応からアフターサービスまで万全です。あれ?
- 小学生の女の子を助けるシーンで「丸くなったなあ」と思ったのに、野郎は放置するff……。こ、こいつもか!
いつも通りと言えばいつも通り。ただ、上遠野さんの問題意識としては、毎回異なることをやっているんだろうな、とも思います。でもその問題意識や作家性が特殊すぎるために、傍から見ていると細かい違いが分からなくて、「毎回同じことをやっている」風に見えてしまうのでしょう。10年以上読んでいますが、いまだにこの人が何を目指してこういう作品を書き続けているのか、その全容はぼんやりしてよく分かりません。
ジョジョ*1とかデスノート*2とかエヴァ*3とか、パロディのように思える描写が頻出していました。上遠野さんが露骨なパロディをやるのは珍しいのですが、本作に「借り物のイメージ」というテーマがあることを考えると、こういった趣向にも納得がいきます。上遠野さん、こういう演出もやる人なんだなあと。(単なる偶然の一致、ということもありますけど)