俺屍2リプレイ(7) 1122年3月〜10月 四代当主すずめの時代

  • 由良英(剣士): ゆらふさ。前当主の妹の偏屈武人。いつの間にか一族最年長になってしまったので最近ようやく人当たりが軟化。
  • すずめ(槍使い): 当主四代目萩谷烏兎。前当主の娘。他人事に首突っ込んで揉め事増やすタイプのお節介焼き。最近ようやくスルーを覚えた。
  • 夜鳥子さん: 謎の居候。最近すずめがほっといてくれるようになったので居心地よさそう。
  • 泉牛(薙刀士): 当主の弟。母が死んでから口やかましい姉の影で人の間を取り持つことが増えた縁の下の苦労人タイプ。最終的にキレて暴れる。
  • 透雀(槍使い): 当主の息子。何考えているか分からないぽんわり系イケメン。
  • あらすじ: 前作より難易度低いけど世の風潮的に仕方ないのかなーとか余裕ぶっこいてたら祭具2つ目取ったあたりで急激に難化したので泡ふく一族であった(主語間違い)

1122年3月 寄り道百鬼祭り

 黄川人情報では次の百鬼祭りは6月だそうな。うーん、潮丸は楽勝でしたが、その後強化された鬼たちの強さを考えると今の面子で戦うのはちょっと怖いですね。百鬼祭り道中のお宝稼ぎには行きたいし戦闘は逃走可能なハズなので様子見くらいはするとして、本気で撃破を狙うのは来年に回すのがよさそうです。これ以上雑魚鬼に強くなられるのもきついですし……。

 今月も由良英を透雀の指導につけ、残りの三人で討伐。先月無駄に式神を使って疲労が溜まった夜鳥子さんには漢方を呑んでもらいました。ついでに温泉にも浸かってみたのですが、前回の防御アップと違い技の水が小増加という結果。やっぱ効果はランダムなんですね。



 で、なぜか祭の提灯が灯っている富士見ヶ原。んー、よく分かりませんねえ。せっかくなので様子を見に行ってみましょう。



 あんたが言うか……って感じですが、まあお互い大変ですわね。



 フツーに開催されていた百鬼祭り。あら……? この先に晴明はいるのでしょうか。ていうか敵が強化されてるのに無為無策のうえ三人パーティで突っ込むのは無茶だったような……しかも何この鬼見たことないんですけど! 有寿の魔鏡で常時先手をとれるようにしてるのでなんとか倒せてるという感じです。ていうか当たり前だけど先制強い。やっぱ素早さは重要ですねえ。



 うひゃー虫寄せ花乱さま解放で奉納点4582獲得! 解放条件は「隊長が花乱火を覚えている」とそんな難しくもなかったのですが、報酬はめっちゃおいしいです。



 ふーむ、晴明は出なくとも百鬼祭り自体は毎年各地に出現して、それはそれでボスがいるということなのですね。ちょっと怖いですが、退却用のアイテムも持ってるので挑戦してみることにします。



「両親を目の前で鬼に食われてボクらも鬼になったんだよー」といきなり重い話を始める双子タヌキ、紅梅童子と白梅童子。これもうちの祖神です。相手と同じ姿に化ける能力があるみたいで、いきなり二匹とも当主すずめの姿になりました(小さくて見づらいですが)。うーん、これ攻撃力めっちゃ高いパターンでは……。

 敵に矛錆びをかけて攻撃力を下げたり、味方に火祭りをかけて対火防御を上げたりとまずは補助術を優先。火祭りは、敵の化けたすずめの性能が本物のすずめと全く同じなら攻撃は火属性のはず、という推測によるもの。その甲斐があったのか、もともと大した攻撃力があったわけでないのかは分かりませんが、一撃のダメージは100程度。これならまあ凌げます。


 力尽きたのかなんなのか正体を現したタヌキの図。「子供に本気出してるよ〜」とかぬかして逃げていきました。ご先祖様……。

 で、百鬼祭り最深部からは普通に外に出られました。戦闘後に強制帰還となるのは晴明戦の時だけみたいですね。

  • 奉納点 10456 => 18817(+8361)

 わーい大戦果です! 虫寄せ花乱の解放が大きかったですが、それ抜きにしても4000点近く稼いでいます。入手巻物は全体地属性攻撃の土々呂、上位単体回復術の円子、敵全体猛毒化の美津乳。お雫の回復料量はだいたい150かそこらなので、敵の攻撃が激しくなってくれば円子も必須の術になっていくでしょう。

1122年4月 透雀初陣

 みだれひな祭りだードンドコドーン(原文ママ)

 さて、今月は当主すずめの息子、透雀が初陣です。体力にかなり不安があるので、慎重に慎重に行きましょう。奉納試合とかぶってしまいましたが、体力130の透雀を連れて行くなんてことはとてもできません。雪辱をはらすのは来年に回しましょう。



 恐怖しか感じないんですがそれは。



 こういう発言が出てくることすら兄弟仲が改善したしるしに思えて微妙にほっこりするのですが、バックグラウンドがサツバツとしすぎて感覚が麻痺してるだけな気がしますね。



 一角鬼を150体倒して金翔天竜馬さま解放。奉納点おいしいです。解放アイテムの「金翔ノ袈裟」も中防具としては強力。直接の血縁はないながら彼も一族に縁のある神様なので、ありがたく使わせていただきましょう。



 ぐえっ! おぼろ夢子戦、まさかの分身の術です。全部実体なら勝てっこないので、三体は幻でしょうか。



 素の回避が高い上に回避上昇、命中低下術まで使ってくるので、全体攻撃の術を撃ってみたところ本体以外は消滅。なんとなく戦い方は分かりました。分身の術は何度でも使ってきますが、それ自体で一手を消費させることになるため幻体を確実に消していくのも悪くありません。最終的には全体攻撃術の併せで撃破。けっこう時間がかかってしまいました。

  • 奉納点 18817 => 24760(+5943)

1122年5月 すずめ第二子交神


 初陣から帰ってきた透雀。うーん、やっぱり体力が伸び悩んでます。こんな体力で中階層の敵のところに乗り込んだら、冗談抜きに命がありません。場合によっては体力満タンからの一撃即死もありえるでしょう。少しずつ溜めてきた強壮体水葉が倉に6つほどあるので、50ポイントかそこらは底上げできますが……。

 成長期の今月のうちにもう一度討伐行って少しでも体力上げるべきかな、とも思うのですが、初陣だった先月ほど劇的にレベルが上がるわけではないし、今月交神しとかないと由良英とすずめの寿命が厳しいし……。どうにも苦しいところですが、交神を優先させましょう。由良英は1歳9ヶ月、当主すずめも1歳7ヶ月。初代当主の享年をとっくに越えていて、老化が始まっていないのが不思議なくらいなのです。ていうか透雀初陣の前の月に交神しとけばよかったんですよね……これは単純な計画ミスです。



 依然奉納点には余裕があるので、透雀の父・霧ノ摩周と同ランクの神さま赤羽根天神と交神。生まれてくる子供の資質次第では、ここから家系を二つに分けて一族の才能に幅を持たせていく方向もアリです。交神の言葉は「いつでも飛んでくからね」。爽やか系です。

  • 奉納点 24760 => 11874(-12886)

1122年6月 根の子参り百鬼祭り!(棒)

 さて、再び百鬼祭りがやってきましたが……透雀を守りながらでは晴明との決戦はおろか百鬼祭りの鬼狩りも微妙なところ。あまり高望みはせずに行きましょう。



 夜鳥子さんのことを探っているうち、「消された神」なるものに行き当たったと言う黄川人。交神リストに放り込んでおいたとのことなので、帰ったら見てみましょう。


 道中、太刀風五郎さんを倒しつつ進軍。次は雷電五郎も呼んでやろうとか言ってましたけど、まさか二人同時に戦うわけじゃないですよね……。



 中階層の敵、天魔大将に太刀風を撃たれた図。有寿ノ魔境で常時先制を取ってるので、冷や冷やしつつもなんとか狩れています。おそらく属性の関係で夜鳥子さんの土攻撃がほとんど通らず、泉牛やすずめでも一撃では倒せないので、相手に手番を回す前に殴るのがやっとという感じ。しかもこの迷宮、場所によっては地形効果で命中が下がるので、なおのこと事故が怖いです。それにしても、風の技が43の泉牛と62の透雀で、ここまでダメージが違うんですねえ。



 道中、緑の蝋燭を発見。これで今後は暗闇部の行動範囲が増えます。

 で、いちおう百鬼祭りを探してはいたんですが、あまり慣れていない迷宮だった上に怖々とした進軍だったため、おみこしの発見はならず。来年までに下調べしとかないとですね……。

  • 奉納点 11874 => 14753(2879)

 獲得巻物は清水。地形ダメージと地形効果を無効化してくれます。地形効果で攻撃力を上げてくる敵もいるので、これかなり重宝するかも。

1122年7月 次男誕生


 赤羽根天神のもとより当主すずめの第二子が到着。ガタイの良い見かけによらず掃除好きですって。



 朱雀に縁のある父と母の名をとり、そのまんま朱雀と名付けましょう。心が軒並み高く、体力もそこそこ、技はちょっと不器用だけど例によって火だけは総じて高い、というパラメータ。防御がやや低めなので、後衛職が適任ですかねー。弓使いいっときましょう。それにしてもこの兄弟の口の形、特徴的ですけど誰に似たのやら。祖父神である孔雀院明美からの隔世遺伝ですかねえ。



 素質の総合点はこの通り、兄の透雀を大幅に超える結果になりました。父神の奉納点は兄よりわずかに低かったので、これは意外。本格的に分家を考えてよさそうです。



 で、唐突にスクリーンショットも取れないほどの早業でこめかみに矢を射られて吹っ飛んだコーちん。矢文みたいですがなんですか。



 あー、先月スルーしちゃったもんで寂しかったんですね……もうやだこの仇敵。



 しかし暢気な話題ばかりとはいかず、遂に親の世代に呪いが回り始めました。最年長1歳11ヶ月の由良英、1歳9ヶ月の当主すずめは仕方ないとして、ちょっと想定外だったのは夜鳥子さんの老化。そりゃ彼女も1歳7ヶ月なので短命の一族としては高齢なのですが、まさか当主よりも早く老いがはじまるとは……。しかし夜鳥子さんは討伐隊の主戦力なので、まだ抜けてもらうわけにはいきません。6000両の漢方薬で健康値を82まで回復。もうひと月だけ頑張ってもらいます。



 あっ見忘れた……。来月、来月には。 



 今回もおぼろ夢子戦。神は不死だから短命の人間の気持ちが分からず、それゆえ人間に対して羨望すら持っているみたいな話。次は兄の幻八の名も上げてましたが、これから出てくるんでしょうか。


 マップ上で「くらら」の術を使って敵の動きを止め、背後から接触して確実に先手を取りながらの天魔大将狩り。これならなんとか安定して戦えます。ここらの敵はなぜか妙に戦勝点三倍が出やすいので、その辺も稼ぎに貢献。神様解放ボーナスがあったわけでもないのに3000点オーバーの成果でした。

  • 奉納点 14753 => 17910(+3157)

 今回は全体攻撃術の巻物、太刀風を獲得。よく敵に使われてたので、すっかり自分も持ってるものだと思い込んでましたね。


 う。薬で自分を騙しながらなんとか前線に立っていた夜鳥子さんですが、屋敷に帰還すると同時に膝をつきました。衰弱の度合いとしては同程度だった由良英と夜鳥子さんですが、やはり無理をしての出陣がこたえたのでしょうか。彼女はそのまま床に伏せ、来月を待たずに息を引き取りました。



 1年7ヶ月に及ぶ滞在の中、彼女は最期まで多くを語りませんでした。すずめなどは何が何でも彼女を一家に馴染ませようと躍起になっていましたが、生前の母に窘められでもしたか、近頃はそれなりの距離を置いて接していたようです。結局、なぜこの家にいるのか誰にもよく分からない不思議な人でしたが、それはそれで謎の存在感があったとも言えます。それに、年上の由良英やすずめはともかく、泉牛や透雀・朱雀兄弟にとって彼女は「自分が生まれたときから自然と家にいる無口なお姉さん」でした。そういう捉えどころのない人として、彼女もそれなりの居場所を萩谷家の中に持っていたのだと思います。

1122年8月 すずめ第三子交神


 はい、これが件の「消された神」とやら。なんか扇子っぽいの持ってるし、めっちゃ晴明っぽいシルエットなんですけど……本人なのやら縁者なのやら。そいえば昨年会ったとき、自分も転生してるみたいなこと言ってましたね。奉納点的には昼子と黄川人に継ぐ高位にあたり、太照天夕子すら凌駕しています。クリア後に交神できるパターンっぽい……?



 なお先月亡くなった夜鳥子さんはこんな状況。「再生中」ってフレーズ、どことなくロマンがありますね(しらんがな)。



 今月はお盆でご先祖様が降りてきました。強力な火属性のコブシで強敵を倒しまくった萩谷家伝説の人、炎神天ノ風。かなりパラメータが弱体化されてるので夜鳥子さんの代わりに雇うってことはできませんが……(そもそも火属性の拳装備してないし)。


 こういうわけで朱雀の時は交神タイミングをちょっとミスっちゃったんですけど、本来なら子供の初陣のひと月前に交神を行うのがベストなサイクル。というわけで、朱雀が初陣となる来月に備え、今月のうちに当主第三子の交神を行います。朱雀の指導は、今月も由良英に任せましょう。もはやほとんど寝たきりになってしまった由良英ですが、教師の役だけは今もしっかりとこなせます。


 んー、奉納点抑えめで体力、防御力まわりにあまり弱点がないよう選ぼうとすると、この辺になっちゃいますね……。トトロ、じゃなかった土々呂震玄をお相手に選択。「よいではないか、よいではないか」だそうです。戻ってきた当主がぷりぷりしてたので、何があったかはあまり触れないほうがよさそう。

  • 奉納点 17910 => 12337(-5573)


 さて。夜鳥子さんが1歳7ヶ月で死んだいっぽう、由良英は萩谷家最長寿の2歳に達し、当主すずめも1歳10ヶ月となりました。特に由良英などは初代当主である父やその兄弟、さらには姉をも看取ってきましたが、まさか自分より年下の夜鳥子さんのことまで看取ることになるとは思っていなかったでしょう。人付き合いの苦手さという点で、会話がなくともどこか通じるものはあったかもしれません。



 その由良英も、家族の誰もが覚悟していた通りこの月に永眠しました。お節介な当主とは揉めてばかりだった彼女ですが、血の気が多いという点で根本的に二人はよく似ており、夜鳥子さんとは別の意味で通じるものもあったはず。一種の喧嘩友達、という表現は的外れではないと思いますし、言葉に出さぬ信頼もあったでしょう。実際、毎月討伐に出て家を留守にしてばかりいた当主に代わり、その息子二人にきっちり稽古をつけたのは由良英なのです。人を突き放すような態度は最期まで変わりませんでしたが、それが彼女なりの人との接し方だったのかもしれません。

1122年9月 焔獄道討伐


 竜巻被害で計3万両分の被害。ぐえっ。



 そろそろ夜鳥子さん転生させえやという煽りが来ました。んー、でも先月交神したばかりで今月夜鳥子さんを呼ぶと新しい子が一挙に二人来ることになっちゃうので、そこはちょっと調整します。


 さて、当主すずめも健康値が57となり、たとえ漢方を呑んでもなかなか戦える体ではなくなりました。仕方ないので当主の抜けた三人で討伐隊を組み、異国の傭兵で穴埋めする方針をとります。透雀を隊長にしたのは、前列・後列移動の直接操作をしたい機会が多いため。体力が低く昏倒しやすいので討伐隊敗走率も上がってしまいますが、今回は初陣の朱雀に配慮して強い敵とは戦わないつもりなので、まあ。


 お屋敷ではそれなりに強い槍使いを228両で雇えました。んー、すずめよりやや格上、ってくらいの方だったんですけどなんでこんなに安いのかしら。前回尋ねた家は3万両とかだったのに……。



 こんなところで紫の鍵入手。なんか富士見ヶ原あたりで扉を見かけた記憶があります。ぶっちゃけフリーズした場所なのであんまり近づきたくないのですが……。



 背後から敵襲かまされた図! 後列に置いてた朱雀、あと一撃でお陀仏でした。はじめて逃走アイテム使っちゃいましたよ……。うーん、慎重に進んでるつもりですけど、どうしても気の抜ける一瞬ってありますね。なおプライバシー保護のため画像の一部がコーちん化しています。

  • 奉納点 12337 => 14419(+2082)

1122年10月 三男誕生


 高いところが好き……らしい当主雀の第三子が土々呂震玄のもとからやってきました。



 ふくよか……だけどめっちゃつぶらな瞳なので父親みたいなバカ殿ではないでしょう。性能は得意不得意がすごいはっきりしているものの、体の資質は全て高水準。めちゃくちゃ使いやすそうな子です。心の風と技の風が低いのはご愛敬でしょうか……見た目通りののんびり屋なのかもしれません。母と父の名にあやかって、黄雀と命名。黄色は五行の土の色です。兄は透明と朱なので、そっちにもかけてます。

 体の資質はバリバリの武闘派なのでエース目指して薙刀を任せてもよいのですが、夜鳥子さんと役割が被るのが辛いところ。ここは思い切って、我が家初めての拳法家などどうでしょう。指導は母である当主すずめが直々に行いますが、先月の由良英がそうだったように彼女も既に半分寝たきりの状態。庭の覗ける部屋で半身だけを起こし、黄雀の稽古を見守ります。



 さて、今回はオンライン遠征。わずか4ヶ月にして攻撃力500オーバー、敏捷も500近いという高性能な壊し屋さんを仲間にしました。萩谷家ではまだ解禁されていない職業なので、使い勝手のほどを見てみましょう。行き先は、おそらくまだ入ったことのない唯一の初期迷宮「天衝くどん」です。



 おぼろ夢子の兄、おぼろ幻八。直接の血のつながりはありませんが、やはり先祖が交神でお世話になったことのある神です。戦い方は基本的に妹と同じ。分身を技消費最小の全体攻撃術「ツブテ」で潰し、適当に殴ったり術を当てたりして勝利です。



 今回は道に迷ってあまり敵と戦えなかったのですが、朱雀が一族初めての奥義「朱雀三炎弓」を閃きました。弓の三連攻撃。ボスや、貴重な巻物などを持った大将を確実に仕留めたいときなどに重宝するでしょう。

  • 奉納点 14419 => 17201(+2782)

 道に迷ってこれなら、まあ上出来でしょう。獲得巻物は敵の風属性を下げる風葬、単体全回復の壱与姫。要はベホマです。


 いっぽう、家に残って黄雀の指導に当たっていた当主すずめは容態が急変。次期当主を指名せねばならないときがやってきました。弟の泉牛は既に呪いの紋が浮き出はじめているため、さほど先は長くありません。とはいえ、透雀、朱雀、黄雀の三兄弟はまだ未熟。特に長男透雀の肉体的な打たれ弱さは当主として都合が悪く、彼が隊長を務める討伐隊は常に敗走のリスクがつきまといます。結局、バランスがよく総合的な資質も高い次男朱雀が五代目当主を務めることとなりました。透雀がこんなことで弟にわだかまりを持つような性格でなかったことは、家族の誰にとっても救いだったでしょう。



 年の近い叔母である由良英や居候の夜鳥子さんなど、無愛想な連中を気にかけて積極的に構ってきた彼女。その世話焼きの大部分は余計なお節介で、逆に揉め事を増やして弟の泉牛にとばっちりが行く(そしてキレる)みたいなことも多かったわけですが、いずれにしても常に彼女が一家の中心にいたようなところはありました。当主となってからは人との距離の取り方もそれなりにわきまえ、ともすると孤立しがちな由良英や夜鳥子さんにうまく居場所を作っていたような節もあります。根本的に、人が好きだったのでしょう。

 戦闘面では、体力の低さがネックになりつつも槍使いとしての本分をしっかりと果たし、堅実に働きました。夜鳥子さんの派手な攻撃の前に隠れがちですが、彼女の属性攻撃が効きにくい鬼神を相手にしたとき頼りになったのは由良英の刀とすずめの槍。今ひとつ華やかな活躍に欠けることを当人は気にしていましたが、彼女の戦い方は同じく「体力の低い槍使い」である長男透雀の見本となるでしょう。