魔女幻想は存在するか(EP1時点)
まず前例としてひぐらしを思い出してみましょう。
- 背後をつけてくる足跡
- 詩音と富竹だけに聞こえた祭具殿のドタンバタンという音
- トミーの死因
これらはいずれも、「オヤシロ様の崇り」という超常現象をそのまま認めるか、未知の薬物や病気などを認めないことには解決不能な問題でした。魔女幻想の有無を考える上でも、これらの点をどう扱うかがいちばんのポイントになってくるかと思います。
うみねこ1話でこれ相当するのは
- ボイラー室で嘉音の見た黄金の蝶
- クライマックスに登場した魔女ベアトリーチェ
この二つになるのでしょうか*1。密室やアリバイと異なり、「実際に見てしまっている」という点で難易度は非常に高いです。
黄金の蝶については、それでも魔法抜きの説明はつけられます。単純に、黄金のパウダーを振りかけた蝶を見たのだと考えればいいのです。すごく勿体ない気はしますけど、10キロの黄金があればそのくらいは可能でしょう。
(「片翼の鷲紋」が蝶にそう見えたんだという説もありますけれど、嘉音さんの見た状況を考えると難しくはありますね)
問題は、肖像画の前に現れた魔女ベアトリーチェです。真理亜ちゃんはこの人物に抱きついていますし、戦人さんも「お前みたいなやつが"い"ちゃいけねえんだ」と驚愕しきっています。その直前、夏妃さんと魔女との対決シーンでも魔女が黄金の杖を振り上げる描写が存在します。
この辺りの描写はどうもはっきりしなくて、登場人物の主観も熱に浮かされてる感じでとても冷静とは言えません。実際に「魔女の容姿」についての描写があったわけでもなく、なにより立ち絵がありません。「実は比喩でした」とか「心象風景でした」とか言われかねないのが恐ろしいところではあります。
誰かの変装
死んだふりして生き残ってた誰かが変装してた説。クライマックスでは戦人たちが魔女と明らかに対峙しているのですが、魔女が背を向けていたりしたら変装を見破ることはできないでしょう。あの描写にも説明が付くかと思います。いちばん無難。
言葉の綾説
別に登場人物はそんなもの見ていなくて、ただ文章表現上の言葉の綾として「魔女がいた」的描き方をした説。ミもフタもありません。謎の奇病や薬品や登場人物の精神を疑う必要はないので、魔女幻想を否定する分には都合がいいですけれど……。
幻覚説
できればやって欲しくない妄想オチ。金蔵おじいちゃんの飲んでいたお酒は一説にはアブサンというらしく、なんか幻覚作用もあるようです。これに絡めて一発やってくれるのかもしれません。
本物説
本当に魔女が甦ってそこにいたんだよ説。これも反則です。「シュレディンガーの猫説」を採用するなら、この時点で魔女は存在していてもよく、超常現象が起こってもいいことになります。
*1:あと真里亞ちゃんの薔薇の一件も難しいですね。薔薇のあった場所について、真里亞ちゃんの記憶が他の仲間と食い違っている時点で不自然。