『ファウストvol.6 SIDE-A』

ぼちぼち読み進めています。

『DDD HandS』奈須きのこ

奈須きのこさん初体験。普通に面白かったです。前作を読んでないのでお話の状況はさっぱり分かりませんけど、目にある前の文章を読んでいるだけで十分に楽しいです。既に洗練されているしケレン味はあっても嫌味がないので、悪い意味での癖は思ったより強くありませんでした。とりあえず後編に期待。

『怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る』竜騎士07

さすがにこのタイトルはどうにかなりませんか。本文を読んでいても感じましたけど、どうも竜騎士07さん、同じ語を近くで反復することにあまり違和感を感じない人のようです。各章の章題もかなりアレなんですけど、よく考えたらこれって児童向け海外作品の和訳と同じセンスですね。「隣室は刑事」とか「呪いのデビュー」とか。
文体は見ての通り。これは文章力よりも文章作法の問題なのだと思います。普通の小説なら当然修正されるべきところが修正されていなかったのは、Jさんがノベルゲームというジャンルの作法を尊重してのことなのでしょうか。内容自体は、竜さんお得意のすれ違いミステリーがベースでさすがの出来。後編が楽しみです。
それにしても、主人公の親友二人を書き分けるつもりがはじめからなかったように見えました。ひぐらしの岡村くんと富田くんみたいな扱いですか……。

『コンバージョン・ブルー(第一話)』錦メガネ

モラトリアムな万能感が具現化されたキャラクターによる虚無虚無したアレが、臆面もなく発揮されていました。空気としては乙一さんの『GOTH』や谷川流さんの『絶望系 閉ざされた世界』に近いと思います。主人公の世界の狭さや身体性の欠落っぷりはなかなかいい感じに表現されていて、読む人が読めば共感すらできる内容になっています。一人称小説なので、主人公のアレな思考が作者の意図したものなのか、素で作者の本心なのか見極めが難しくはありますけれど……。私がこのお話を笑って正視できないのは、まだまだ自分の頭が中二病にどっぷり漬かってしまっているからなのだと思います。
ラストの澄香さんにまつわるお話には何だか名状しがたい想像力が迸っていて、別の意味で妙に間の抜けた驚きを味わいました。特に解決策が取られた後の結果とか。うーん、*んじゃえ。