『狂乱家族日記 参さつめ』

わ、面白い面白い。このシリーズは日日日さんの作品の中でいちばん自分に合わないと思ってましたけど、これはすごく良かったです。
中盤少し間延びしたきらいもありましたけど、後半の盛り上がりが素晴らしかったです。伏線が上手く機能していて、そう来るかと。後日談として章の合間に挿入される日記も「これからどんな流れでそんな結末になるのだろう？」とうまく読者の興味を惹けていていたと思います。日記の内容を見ていて、下手したら嫌な終わり方をしてしまうのかなーと心配していましたけど、最後にちゃんとオチがついていて安心しました。
例によって「日日日の三人称はキャラクター心理の移り変わりが見えなくて唐突」という弱点が出ていた気がしますけど、もうここまで来るとこれは日日日さんのお約束ということにしていいんじゃないかなという気もします。川上稔さんの完璧すぎる予定調和も、今さらそれに文句をつける人なんて誰もいませんし。
死神三番さん、このネーミングはすごく秀逸ですね。「ですぅ」な語尾がどうも慣れないんですけど、翠星石さんみたいな喋り方をイメージすればいいんでしょうか。彼女の素顔を真正面から描いたイラストがあったのは好印象でした。やっぱり、そこは逃げちゃいけませんよね。眼福。(それは違う)