うみねこプレイ直前の頭の整理

 一応は「寒村の子供たち」のお話だったひぐらしと異なり、うみねこは上流階級バリバリな人々のお話になります。ただ、竜騎士07さんに上流階級の雰囲気なんかが描けるのかという心配はあまりないです。日記を見た感じ「その手の人」が親戚の中にいるらしく、「その手のパーティー」に出席したこともあるとかないとかで、まあ私ら一般人よりは「そういう世界」に近いところにいそうな雰囲気があるからです。「そのもの」を描けるかどうかはともかく、私たちを騙し通すハッタリをかますくらいはできるんじゃないかなーという、まあある種の楽観ですけど。

 ひぐらしで「推理」を標榜してさんざん痛い目に遭ったとは思うので、今回少しは考えてきてくるとは思うんですけど、何せ竜騎士07さんのことなのでどんなバット大振りをストライクをやらかすかも知れず安心はできません。「推理は可能か、不可能か」という惹句や公式の紹介文*1にいろいろ苦心の後は見られるし、正直わくわくもしてるんですけど、はたして鬼が出るか蛇が出るか。

 ひぐらしの各編であれだけ縦横無尽な作劇を見せてくれた竜騎士07さんですから、単純な面白さという面でもあまり心配はしていません。でも確実に私の人生の数%に食い込んできた作品だったひぐらし並みにガツンとした衝撃を味わえるかどうかも分かりません。これはもう祈るしかないですね。

 いずれにしても、竜騎士07さんの作風上「その作品の面白さを最大限に引き出す読み方を模索する」姿勢で挑むことで楽しみ方を一気に広げることのできる作品であることは確かだと思います。多分ひぐらしほどの人気が出ることはないと思うんですけれど、ブームが去ってからの方が変な外圧にいちいち左右されずに本来の作風を安定して出せるという面はあります*2し、ここから熟れていってくれたらいいなあと思います。

 あと竜騎士07さんはセンスいいなあと思うときとこれは酷いと思うときがあるんですけど、今回はタイトルや登場人物名を見てる限り概ね後者の方が目立っている気がします。実はこれがいちばんの不安材料だったりします……。

*1:この紹介文が本当に「推理できません」という言い訳だけのものだったとしたらたいそうつまらないんですけど、推理可能かどうかはともかく「推理可能性の有無」という視点を持ち込むことで生じる効果を見越してのことであれば、やりようによって凄く面白くなるとも思えるのです。

*2:今の上遠野浩平さんとか