佐藤友哉

『クリスマス・テロル』がなんか普通の小説だった件

(講談社文庫)" title="クリスマス・テロル (講談社文庫)" class="asin"> 地雷中の地雷、壁本中の壁本、みたいな極端に酷い前評判が散々に渦巻いていたせいで、実際に読んでみると酷く大人しい作品だったなあという印象。本編終了後のアレは、別に仕掛けとし…

感情移入"したくない"小説 - 佐藤友哉『水没ピアノ』

『フリッカー式』の主人公の言動は本当に気持ち悪くて、それは「責任転嫁」という一言ではとても言い表せない、表現しがたく類例を見ない見事に歪んだ感覚でした。いまだ端的な言葉では表現しえない、未知の世界の"気持ち悪さ"。私はそういったものを求めて…

『エナメルを塗った魂の比重』 - 村上春樹のオシャレネタをオタクネタに交換したらきっとこんなかんじですよねー

(講談社文庫)" title="エナメルを塗った魂の比重 (講談社文庫)" class="asin"> これはひどいこれはひどい。気分を害したい時は、とりあえずこの人の小説を読んでおけば間違いはありませんね! 露悪の限りを尽くしたいという感じで、相変わらず胸の悪くなるキ…

『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』

(講談社文庫)" title="フリッカー式 (講談社文庫)" class="asin"> ぐえええええー。これはひどい。予想の斜め上を行かれてお腹にキました。 首を吊った妹の復讐のため、犯人の愛娘たちを次々と誘拐していくお話。粗筋からしてろくでもないです。でも、ファウ…

『1000の小説とバックベアード』

ゆやたんの化身たる主人公が小説を書くことについて考えて考えて考え抜いて答を見つける作品。「片説家」「やみ」といった概念が「小説家」と区別するための定義として語られています。こういう流れって、自分で勝手に「小説」についてのオリジナル定義を作…

『ファウストvol.6 SIDE-A』

『すずめばちがサヨナラというとき』上遠野浩平 合成人間の哀しみ。前作もそうでしたけど、はじめから抗いようのないシステムに属する人々を書くのがとっても上手いですね。ケーキ→ぬいぐるみとエスカレートする舞惟さんの思考が痛々しすぎます。しかも片目…