乙一

『GOTH』

ごすと言えば今ではごっすんごっすん五寸釘ですけど、かつては乙一という作家がミステリー大賞を受賞した妖怪大戦争小説のことをを指したのですよという老人のたわ言は本当ですかコミカライズ。大岩ケンヂさんの漫画は初めてですけど、やっぱりいい絵を描き…

『失はれる物語』の続き

一昨日の続きー。ところでこの短編集、信号無視の車に突っ込まれるというパターンが妙に多いです。自分に一切の非がなくても、そんなこと関係なく致命的な不幸は振ってきてしまうのだ……みたいな感じなのでしょうか。 「傷」 他人の傷を肩代わりできる優しい…

『失はれる物語』

角川スニーカー時代の作品をまとめた短編集、の文庫化。作品のセレクションは、いわゆる「白乙一」でほぼ統一されています。全八編中の「ボクの賢いパンツ君」「マリアの指」「ウソカノ」以外は再読でしたけど、その価値のある作品だったと思います。乙一さ…

『ZOO 2』

「血を探せ!」 乙一さんには珍しいスラップスティックっぽいお話。こういった作風にまだ慣れていないようでぎこちなさも感じますけど、文体などの雰囲気作りがとても秀逸。乙一さんのSFメルヘンでは、超常現象を目の当たりにした人々の間でときどき間の抜け…

『ZOO 1』が積読の山の底から出てきました

いわゆる「白乙一」とも「黒乙一」ともカテゴライズできない、不思議な作品集でした。 「カザリとヨーコ」 母からの愛情を一身に受け学校でも人気者な双子の姉カザリと、母からの虐めを受け学校でも除け者の妹ヨーコ。乙一さんお得意の、日陰者の哀しみを綴…

『七つの黒い夢』

変な組み合わせのアンソロジー短編集。 白乙一さんと恩田陸さんは、オチもなくフッと終わるお話。ピンと来なければそのまま流れていってしまいそうではあります。北村さんは初読、淡々とした語りですけど、その中に不思議な面白さのある人ですね。誉田さんに…

『ファウストvol.6 SIDE-A』

『すずめばちがサヨナラというとき』上遠野浩平 合成人間の哀しみ。前作もそうでしたけど、はじめから抗いようのないシステムに属する人々を書くのがとっても上手いですね。ケーキ→ぬいぐるみとエスカレートする舞惟さんの思考が痛々しすぎます。しかも片目…

『GOTH』

画像に隙間が。無念。 うーん、ええと、こういうのはすごく好き……だったはずなんですけど、いつの間にか嗜好が変わったみたいです。何年か前なら、この二人の主人公にすごく共感していろいろ危なげなことを口走っていたかもしれません。もちろん今読んでも主…