『ファイブスター物語(1)』

ファイブスター物語 (1) (ニュータイプ100%コミックス)

なんかものすごく有名な一大叙事詩。遠未来っぽい宇宙国家時代、「モーターヘッド」なるロボットを用いて代理戦争が行われる社会がこの作品の舞台です。この第一巻の時点で既に終末までの年表は提示されていて、その流れに沿った物語が少しずつ描かれていくという寸法です。その試みだけでも燃えですね。

とりあえず、これから世界を統べる予定のアマテラスさんが主人公。のはずなんですけど、彼はなかなか舞台に登場しません。たまに顔を見せたとしても、"これから非常に重要になってくるであろう登場人物"という感じでしか描かれません。

最初からずっとそういう感じなので、この作品ではあえて主人公の視点に入らず、周囲の人物を描くことで少しずつ彼を浮き彫りにしていく形になるのかなーとも思えました。実際は最後の最後でご本人がこの上なく劇的にお話の中心に躍り出てくれるんですけれど、その登場の仕方にびっくり仰天。うひゃーあそう来た。

ところでこのアマテラスさんといい、一巻で仮の主人公となるレディオス・ソープさんといい、一部の男性がとんでもない美形ですね。もうこのくらいになると性別でもどっちでもいいやという感じになるんですけれど、永野さんの絵はその"どっちでもいいや感"が特に強いなあと思いました。