『屍鬼(3)』

屍鬼 3 (ジャンプコミックス)

「これがどういうお話なのか」が明らかになった巻というか。まあ今までも真相を想起させる描写はいくつも出ていましたし、特にミスリードというものもありませんでした。わりとストレートに進んでいるお話と言えましょう。

 原作がそういう作品だから、ということもあるかもしれませんし、誌面の違いというところもあるかもしれませんが、やはり過去の連載作品と一線を画した雰囲気があります。一人の作家は意外と色々な作風を持っているんだな、と感じられるところでもありますし、同時に藤崎さんでないとこういうのは描けませんよね−、とも思えます。作家性を確立している人ということなのでしょう。

 ちょっとこの下、原作未読者の他愛のない思いつきを書きます。当たってればネタばれになる可能性もあるので、気にならない人だけどうぞ。


 若御院の静信さんなんですが、白目がなくて黒目しかないのがちょっと怖いです。これって「あれ」になった村人や兼正んとこのお嬢さんと同じ特徴ですし、彼のおうちが代々続く聖職で、ついで静信さんのお母さんも同じ特徴を有していることを考えると、なんか土着的な因縁でもあるのかなという気がしてきます。伏線だったらいいなあ、と。