秘められた文脈

『Landreaall(4)』

圧倒的な"意味"の量 学園編開始。相変わらず、密度の高さに恐れ入ります。コマ数やセリフが多いわけでは決してないし、さらっと読もうと思えば平均的なジャンプコミックスなんかと同じくらいの時間で読むこともできるでしょう。でも、「全ての表現に意味があ…

『Landreaall(1)(2)(3)』

キリのいい3巻まで読了。 ページをぱらぱらめくっただけでは、こざっぱりとしていて感じの良い、でも本当に普通の漫画という印象。実際、あっさりした絵とストーリーは非常に読みやすくて、何も考えなければ軽く読み流せてしまう作品ではあるのです。 でも、…

支離滅裂な言動と一貫した思考 - 入江君人『神さまのいない日曜日』

富士見ファンタジア新人賞20年の歴史の中で、5回目の大賞に選ばれた作品。小説として"出来がよい"だけでなく、秘められたベクトル*1の在り方が刺激的でした。以下、特徴的に感じたところを二点ほど。 曖昧な世界の境界 死者が起き上がって再び活動をはじめる…

選択肢なきルート分岐 - 『うみねこのなく頃に Episode6 Dawn of the golden witch』

今回も語るべきことはいっぱい。どこから話したはじめたものか、正直考えあぐねているのですが、ともかくぽつぽつと書きはじめてみます。「具体的な事件、出来事」に関するネタばらしはほぼありません。 象徴だけでできた物語 今回のうみねこは、いつも以上…

音楽的文体 - 古野まほろ『探偵小説のためのエチュード 水剋火』

陰陽師も百鬼夜行もトラペドヘゾロンも象徴哲学も出てくるけど、やってることはガチガチの本格推理小説という恐るべき作品。同作者の天帝シリーズと比較すると、ページ数が半分以下ということもあって手加減してる感はありますが、手加減してコレというのは…